米国産トウモロコシの受け入れ港

日本の主要な穀物積み降ろし港は、鹿島港(茨城県)、志布志港(鹿児島県)が物量的には突出している。
その他は北から釧路、十勝、苫小牧(共に北海道)、八戸(青森県)、名古屋、水島(岡山県)、鹿児島がある。

これらの港湾施設の多くには、バルク船から穀物を直接吸い上げるニューマチックアンローダーと巨大な穀物サイロ群からなるグレーンターミナルが置かれ、後背地の飼料コンビナート等にコンベアでトウモロコシを供給する体制が整っている。
また、パナマックス級バルカーが入港できない水深の浅い地方港に向けては、内航船への積み替えも行われる。

またコーンスターチ向けトウモロコシの輸入港では、専門メーカーの工場が位置する田子の浦(静岡県)や、名古屋、鹿児島がある。
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これもGoogle地図で見てみよう。
写真は、鹿島にあるグレーンターミナルにバルク船が到着してたところである。サイロの前には穀物を吸い上げるニューマチックアンローダー装置が見えるし、後背地にある各社の飼料工場に伸びるコンベアも見える。

穀物資源を海外に頼らざるを得ない我が国では、大手商社が米国穀物メジャーから買い付けたトウモロコシを超大型ドライバルカーで海上輸送し、港湾のグレーンターミナル業者は飼料製造業者群と共に飼料コンビナートを形成して、陸上輸送コストをかけずにこの原料を受け取って製品化する輸送費削減戦略を選択し、推進してきたわけなのだ。

また、国(財務省、税関)も関税定率法による「飼料製造原料品の減免税制度」を用意、該当する飼料工場を「承認工場」と位置付けて、関税を免除(免税)している。
この制度は、「わが国の畜産農家に対して、良質かつ低廉な飼料を継続して安定供給するため、国内生産量の少ないトウモロコシ等の飼料製造用原料品を外国から輸入する際、本来課されるべき関税を(軽減又は)免除し、これに寄与しようとするもの」と説明されている。

輸入原料である限り、米国の穀倉相場や為替の乱高下、そして海上運賃により国内飼料価格が翻弄される構図には変わりがない。しかし、我が国や港湾・飼料業界による長年のこれら努力の積み重ねが、飼料の低コスト供給の基盤となっていることは否めない。(続く)

by yokuya2006 | 2018-12-09 13:26 | GMOと穀物輸入 | Comments(2)
Commented by そりゃないよ獣医さん at 2018-12-10 20:07 x
問題が大きすぎるので、此処では多くは語りませんが、ご紹介の制度、ご説明の技術が日本の畜産を駄目にしてしまい、世界の食糧事情を悪化させていることを知るべきです。
国連は家族農業、小規模農業への回帰を、国土の保全、社会情勢の安定、食糧問題、人口問題、環境問題、人間の健康の問題などなどから推奨しています。大型農業企業型農業は、世界の全てを悪化させます。
現在私は、家畜の飼養頭数や規模の制限などを、アニマルウェルフェアの観点から反対し、穀物ゼロでせいぜい国産のひGMO製品を給与する酪農家の活動を支援しています。
ミクロで問題をいくら説明しても説得力などありません。餌屋さんの食い扶持を広げるばかりで、家畜は不健康になって命を粗末にする畜産農家ばかりになってしまいました。
Commented by yokuya2006 at 2018-12-11 07:35
そりゃないよ先輩、確かにこんな畜産やってるのは日本だけです。
特に流通面では、勤勉な生産者、メーカー、商社、そして国が、行け行けドンドンで進めてきた成果?であろうと思います。とりあえず現象面だけを書き連ねてみた次第です。