カテゴリ:エサと飼料化( 66 )

転勤する部下から引継ぎを受け、担当者で集まって打合せ。
午後からは、品質保証の打合せ。さあ、急いで会社を出て電車に飛び乗る。
南船橋で乗り換えて、武蔵野線で北府中まで。てくてく歩いて、東京農工大学に到着した。

飼料サンプルをご提供したのがご縁で、いろいろ研究成果を教えてくださる。
こちらは、飼料サンプルは売るほどある、近ばの業者としてこれからも便利に使ってください。

打合せの最中に突然の雷雨。しかし研究室を後にする頃には雨はあがり、一気に蒸してきた。
おお、ようやく梅雨らしくなってきた。

f0057955_1153319.jpg帰りもやはり武蔵野線。電車の中は冷房が利き過ぎていて、しばらく乗っているうちに体が冷え切ってしまった。
行き帰りの電車で読んだ本。ビジネス社、驚愕の前世体験 鈴木啓介著。ヘミシンクなる音響技術によって、左右の脳を同調・調整することにより、所謂「悟りの境地」に誘導する。
ごく普通のサラリーマンである著者の、覚醒の記録だ。自らのハイアーセルフとの会話、明らかとなる前世と、家族に関わるカルマ。

この種の本に共通する世界観、いろいろ読み漁った多方面からの著作物のそれは、細部において、或いは用いられるギミックに違いはあっても、基本的に一致している。
このような世界があるのは確かだ、とは思うが、まだ私は踏み込むべきでない。
呼ばれていないし、機が熟していない。現世でやるべきことが沢山ある。
まあ、自分の霊的レベルが低いのだと思っている。
兵庫の飼料会社の社長さんが訪ねてこられた。
大柄で(人のことは言えないが)、あごひげを蓄えた精力的且つお洒落な紳士で、日本人離れした印象の方だった。
15年にわたる異議申し立てつぶしの作業を終え、ようやく取れた特許のご説明をいただく。

パイナップルに含まれる蛋白分解酵素ブロメラインを高濃度に含む飼料を開発され、これを牛・豚・鶏に食べさせると肉の食味が向上する。具体的には、遊離アミノ酸が増えるのだそうだ。
肉の味は、脂肪の中の不飽和脂肪酸による甘みと食感、とは良く言われるところだが、この方曰く「肉の味は、筋肉すなわち蛋白質、つまりアミノ酸由来であるべき」が持論である。

既に某飼料メーカーとタイアップしており、各地の生産者とも直接に技術協力しているが、明らかな特許侵害で無断でこの技術を用いた飼料を製造しているメーカーもある、とか。
いろいろと面白いお話を聞かせていただいた。

酵素が動物の消化管を通過して、筋肉中のアミノ酸に影響するとは、教科書的には考えにくいが、データは確かであるようだ。この遊離アミノ酸の量を分析して、例えばスーパーの売り場に並ぶスライス肉製品などのパックに表示して差別化しようとの社長さんのアイデア。
トレーサビリティやホジティブリスト制度などの「安全性の数値化」の次のステップは「美味しさの数値化」である、と仰る。

遊離アミノ酸が多い肉は、本当に美味しく感じるのか。実際に食べてみたいものだ。
美味しさの数値化」のアイデアは、面白いと感じた。

6時からは、転勤する同僚二人を囲んでの送別会。私が幹事として呼びかけたところ、14人もの方々が集まってくれた。勿論この二人の人徳であるが、有難いことだ。
11時過ぎの二次会まで、大いに楽しく語らった。
午後3時まで、怒涛の如く仕事!
ようやく会社を抜け出して、研究農場で先月試作したサイレージ飼料の開封に立ち会う。
芋焼酎粕などを組み込んだ初の試みだったが、思いのほか違和感なく良いサイレージだ。
サンプリングして分析に回す。
結果がとても楽しみだ。
朝も早よから車で移動。
今日はドライフルーツのはね品を飼料化できるか打合せ。
配合飼料工場では無理、我々のようなサイレージ飼料でも、発酵管理が難しそう。
しかし、食品副産物が蛋白原料だけになりそうな世の中で、繊維質と糖質は貴重だ。
何とか頑張って、実現したいものです。
そのまま泊まって、今日は朝から試験飼料の製造。
飼料稲ホールクロップサイレージを、その他の原料と混合して発酵TMRを作る。さあ、この飼料稲WCSが、品質がとんでもなく悪いのだ。
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水分が多すぎて酪酸発酵しているのが多く、しかも穴あきや雨水の侵入などでカビたり腐敗している部分をより分ける作業が大変だった。「ロール一本全廃棄」が珍しくない。

自給飼料増産のための「飼料稲WCS」の推進。しかしこんな品質ではどうにもならない。
この後でサイレージしたとて、もともと発酵品質の悪いものが良くなるわけではないのだ。
こんなにロスがあっては、実現は程遠い。飼料稲の確実な収穫の技術、そこから始めなければならないだろう。
朝から子会社に移動。午前中はビール粕の取り扱い業者さんとの打合せ。
発泡酒の行軍が続き、ビール粕の発生はますます厳しい。数量ギャランティを契約から削除して欲しいとのご依頼だ。
こちらとしても、所詮は副産物なのであるから、ビール粕を保障する為にビールを生産してくださいなどとは言えぬのが道理です。

午後からは、産廃業者さんが「おからサイレージ」の飼料化システムを見学に来られた。
昨日のメーカーさんとは違って、この社長は自ら新しい流通システムを作ろうと努力されている、こんな方々ならばいつでも歓迎だ。

お客様を送って、稟議書を作成しているところで、合流予定の仲間から電話。高速道路で焼酎粕を運んでいたトラックのタイヤがバーストしたので修理中、との事。おお、事故にならずに幸いでしたね。

仲間と合流したのが8時過ぎ、それから居酒屋でビールで喉を潤せば、隣にいた削蹄師さんといろいろ話すことができた。我々エサ屋から見ても、削蹄は酪農インフラで生産性に直結する重要な分野と認識している。いろいろ参考になりました。
社長からの指示とあらば、行かねばなるまい。早朝から高速道路を乗り継いで、豆腐メーカーを訪問した。
二つの大きな川の間にあるので、やはり水が良いのだろうな。しかし、国道から入った先がとても判りにくい場所にある会社だった。

わざわざ出向いて説明したわけだが、先方は大威張りで、「何だおからを全量引き取る話じゃないのか」「うちは日量30トンもおからが出るンだ」「これを引き受けてもらえると思って楽しみにしていたのに」などと仰る。当方は今のところ間に合っていますと、電話で申し上げたではないですか。業績好調で気が大きくなっているのか、ちと失礼な態度ですね。

おからサイレージをアンタのところで捌いてくれないのかって、あなた。そんな便利な話が転げ込んでくるとでも思ったのですか。しかも、別の方は、エサ屋の私の前でおからの飼料化の話を始める始末。あのー、私の方がプロなんですけど、、、

狭い世界に生きている方々だ。もっと世の中に出て勉強されたほうが良いですよ。
そうやって、威張って商売できるのは羨ましいですが、私が感じたのと同様に、周囲に不快感を撒き散らしていませんか。

しかし、社長氏は違った。体格が良く、若く、目に力のある方で、瞬時に本質を見抜く頭のキレる印象、いかにも仕事ができそうな方だった。この人は単なる豆腐屋の社長ではないな、ベンチャー企業の社長みたいだ。きっとこの会社は、この方にとっては一部門に過ぎないのだろうな。

大雨の中、会社に戻って来客対応。今日は取引先の方が転出する部下の壮行会を企画してくれたのだ。そうだよね、仕事上の付き合いでもお互いを思いやる心は基本です。
6/3 会社で仕事をしつつ、仲間を待つ。4時に千葉をスタートするも、湾岸道路はロッテの試合日とあっては大渋滞だった。ようやく東関道から、今日はベイブリッジを経由して、保土ヶ谷ICから東名高速道路へ。富士宮に着いたら7時。さあ、ビールが私を待っている。

しかし、入った居酒屋は、頼んだビールがなかなか出てこない。食べ物はビールに比較すれば早いが、それでも信じられないくらい待たされる。別のお客も、怒って帰ってしまう。
そして、会計はとんでもなく高い。この店はもう来ることはないでしょう。炉辺焼きの文さん。

ゲン直しに、滅多に行かないカラオケ。同行の仲間は外国人で、日本語、英語、スペイン語、タガログ語などを駆使する。彼のために英語版マイウエイをリクエスト。その後も皆で英語の歌を歌って盛り上がる。

6/4 長野県茅野市と山梨県北杜市の取引先を訪問。終われば私だけ一足先に戻るつもりが、小淵沢駅で時刻を見れば、一時間以上待たねばならない。
では甲府まで行きましょうと車を走らせるうちに、時刻は終業のラッシュアワーに至り、この時間に甲府駅に寄ってから富士に戻れるのがいつになるか判らない。
人を待たしているので、ではこのまま戻ってしまおうに決めた。
新富士から新幹線とも考えたが、戻っての打合せも時間がかかり、そのうち若手営業マンも戻ってきて合流、ではやはり今日も飲みに行きましょうか。

今日は慎重に選んだ店は、美味しくてしかも安かった。店のオネーちゃんも頑張っているし、店長も活きが良い。ここは、また来ます。さかな一等兵さん。

で、またもやカラオケへ。昨日貰った割引券もある。
先生の指導の下、6人でまずは英語で皆マイウエイを歌う。マイウエイを6回連続でリクエストする客は、そうはいまい。その後もいろいろ歌って、最後は若者の今時の唄と指名すれば、コブクロなる歌手がいるのだな。変な名前。曲はどこかで聴いたことがあった。確か桜と言ったか。
12時にホテルに戻る。楽しかったが、連続深夜のカラオケは、オジサンには辛いものがある。

6/5 朝の新幹線で会社に戻る。雑用を処理するうちに会議。長引いて、終わって残務整理であっという間に7時半。済みません、疲れているので、キリがないので、今日は帰ります。
以前に堆肥発酵機でお世話になった方から、電話で問い合わせ。
豆腐粕(おから)が日量3トンくらい発生する豆腐屋さんがあり、豆腐粕を堆肥にするよりはエサにしたいのだと。
おお、良いことではありませんか。バイオマスのカスケード利用ですね。
飼料化できるバイオマスは、家畜に食べさせて、畜糞を堆肥にすれば良いのです。

おからは、乾燥するとハンドリングは良くなって、配合飼料原料などにも使えるが、このオイル高の御時世ではなかなかコストが合わない。
乾燥せずに、乳酸菌を添加してサイレージ発酵させれば、pHが下がって保存性が確保でき、低コストに飼料化できる。

ただし、水分が多い(DMが少ない)飼料を長距離輸送すると運賃倒れになるので、近所に安定的に引き取ってくれるユーザーを探さねばならない。
豆腐屋さんが、エサ売りをするのはなかなか難しい。しかして、これだけのために中間業者がマージンで食っていけるほど、世の中甘くない。
日量3トンは、発生量としては中途半端だし、物流システムを如何に構築できるかが、まさに難しいのですね。
豆腐をはじめとして食品副産物は、糖質が少ないので乳酸菌が働きにくい。繊維分解酵素の入った乳酸菌製剤ならば、繊維を分解して乳酸菌に必要な糖質を作ってくれる。この辺りが飼料化のポイントです。

今日は、朝から迎えに来てくれた研究員氏と合流、2トンダンプを運転して食品副産物廃液を受取りに行く。天気は良いが、まことに風が強い一日だった。
トラックで研究所まで戻り、研究所で余っていた試験の終わったカーネーションポットを貰い、途中の道の駅で買い込んだ野菜を持って、大荷物で事務所に戻る。
途中でモノレールを降りて市民活動センターに寄り、カーネーションを差し入れしてきた。
食品分析センターが主催する、バイオマス・ニッポン総合戦略に関する勉強会。
今回も、講師は石黒先生。
バイオマスに関する情報として、最近の食品製造副産物の飼料業界での利用状況、コンビニ弁当由来の飼料原料の公定規格への追加、とうもろこしの高騰とバイオエタノールの進展状況などを紹介して、いざ本題のカビ毒へ。

飼料中のカビ毒(マイコトキシン)の中で、我が国で基準値が定められているのは、アフラトキシンB1とゼアラレノン、デオキシレバレノール(DON)であるが、アフラトキシンの類縁(例えばB1が代謝されてミルク中に出るM1)や、オクラトキシン、フモニシンなども今後は注意が必要だ。
具体的には、麦類のカビ毒として知られるオクラトキシンは、麦で作られるビールなどよりも、コーヒー豆やレーズン、ワインでの高率な検出があり、またフザリウム菌によるフモニシン(これは穀類全般)の汚染例も報告されている。
これらは、PPMどころか、PPB(ピーピービー:パートパービリオン)PPT(パートパートリリオン)の世界だが、検出状況は今後も見極めていかねばなるまい。
飼料工場で用いるカビ毒検出キットについても、紹介があった。
ノンGMの穀物が、実はカビ毒の検出が多いとのこと。昆虫による食害で損傷を受けた穀粒が、その傷口からカビの進入を受け易いことが原因ではないか、との説明だった。
遺伝子組み換えか、カビ毒か、安易な比較は許されないが、考えてしまった。