カテゴリ:エサと飼料化( 66 )

朝起きてビジネスホテルのシャトル便で博多駅。地下鉄に乗って福岡空港。昨日頼んであったレンタカーで、いざ出発。
大宰府ICで乗った高速を八女ICで降りて、焼酎メーカーさんで焼酎粕(エコフィード)の打合せ、その後は八女ICまで取って返して、松橋(まつばせ、と読むのが曲者である)ICまで、ここで高速を降りて、不知火、三角を通り、天草五橋を渡って、天草下島の食品会社で副産物(これまたエコフィード)の打合せ。

帰路には、走行中に見かけた醤油屋さんに醤油粕(またまたエコフィード)の飛び込み営業までしてみた。アポ無しにも関わらず、快く対応していただけて有難し。結果は良くなかったが、その商売の姿勢には敬服する。できるところから地域循環、地元に愛される企業を目指す、まさにこれを実践しておられた。九州の企業にはハートがある。今日訪問した3社でともに実感したことである。

久留米まで戻って泊まる。明日は試作と、品質管理、保存性の試験の設定をして戻る。千葉に戻れば3月も終わるのだな。しばらく疾走が止まらない。

ところで、千葉県知事選は森田健作氏が圧勝したらしい。
すぐさまマスコミは、お決まりの、やれ民主党がどうの、小沢代表がどうのと騒ぎ立てるが、、、
これは単に、森田氏の知名度が抜群であったことと、前回の敗戦を受けての氏の地道なリベンジ戦略が功を奏したに過ぎないのではないか。
民主党はと言えば、候補選出が遅れたこと、吉田氏陣営の訴えは「40代の知事:ちなみに氏は49歳らしい」のみであったこと、そして決定的には、堂本氏の後継だか知らぬが、千葉県民がそもそも堂本県政を評価しなかったことである。

堂本氏も、民主党も、マスコミも、自意識過剰なり。自分が考えるほど、世間は見て聞いてくれていないと言うことであろう。少なくとも私の周辺には、小沢代表の不祥事?を受けて民主党推薦の候補を避けた、という人などいない。
さて、堂本知事がNPOの育成に熱心であったことは、個人的には助かっている。
ゴミのようなNPOも多々あるのが現状だが、NPOを県がサポートするプラットホームを作ってもらったことには、感謝せねばなるまい。
f0057955_2122245.jpg平成20年度「自給飼料活用型TMRセンターに関する情報交換会」に参加してきた。

主催は、農研機構 畜産草地研究所、全国酪農業協同組合連合会

開催日時は、平成21年3月16日(月)10:30~17:00、場所は虎ノ門の「発明会館」ホール。

各セクションで、座長は農研機構 畜産草地研究所の先生方が分担。
題目1 飼料自給率向上への取組とTMRセンターの果たす役割
農水省生産局畜産部畜産振興課草地整備推進室
食料・飼料自給率の向上への取り組みと推進施策の現状についての概論、数値に裏付けされた大局観を理解できた。

題目2 北海道におけるTMRセンターの最新情報と今後の展望
(株)オーレンス チーフコンサルタント氏
北海道で複数のTMRセンター(コントラクター組合)の経営上の面倒を見ている立場から、今後のTMRセンターには政策支援が必要と述べる。費用が嵩む機械更新にどう備えるかなど、企業経営的なマネジメント能力を持つ人材の醸成・確保が必要と説く。

事例紹介に移り、
題目3 良質自給飼料生産とTMRセンターの取り組み事例
(有)デリバリーフィードセンター名寄
先駆事例としての歴史を感じさせる工夫の数々が光る。構成員の研鑽によりリスク管理が進んだ現状に好感。コントラ向けヘビィデューティ仕様の機械が必要との指摘は、まさに現場の実感であろう。

題目4 食品残さと稲発酵粗飼料を活用したTMRセンターの取り組み事例
那須ティーエムアール(株)
変って、内地でのエコフィード利用のTMRセンター事例。飼料稲WCSに果敢に挑戦している。良い意味での官民連携が抜け目ない。飼料稲を含めて飼料原料の分析体制を行政側で整備して欲しいとの要望は、これもまた現場の実感だろう。

題目5 細断型コンビラップを活用したTMRセンターの取り組み事例
JA東日本くみあい飼料(株)
流石くみあい飼料。太田工場のコンビラップ等の最新鋭の設備と、発酵TMRの可能性を極めて正確に正直に披露していた。発酵のパワーで摂取量の限界を超えられ、乳牛にも好影響と自信を示す。

題目6 中九州TMR(熊本県)でのウーロン茶粕の取り組み事例
全酪連購買部酪農生産指導室
取り組みを開始したウーロン茶粕についての貴重なレポート。これも果敢に新規原料に取り組んでいる。熱意が伝わる好演。

技術紹介では、
題目7 TMRセンターを支援するための汎用型飼料収穫機の開発
生物系特定産業技術研究支援センター
ここ数年の研究の成果を駆け足で紹介。極めて合目的な装置の開発成果が上がっている、と言えるだろう。

題目8 発酵TMRの調製と給与に関する最新技術
農研機構 畜産草地研究所
これも駆け足の紹介だったが、非常に示唆に富んだ内容。発酵TMRは、まだまだ奥が深いのである。

最後のパネルディスカッションは、時間がなさ過ぎてパネラー各々、一通りの発言で終わってしまった感がある。一家言ある方々ばかり、もう少し議論できる時間が欲しかったな。
先週お邪魔したお菓子の関係の会社さん。不景気で売上げが低迷、副産物の出方も当然悪くなっている。お約束していた量の「くず」(=私にとってはエコフィード)が、お出しできそうにありません。ゲゲゲっ。

週が明けて、今日は隣の原料手配部隊が朝から騒がしい。
外食産業が、やはり景気の低迷で、揚げ物が減ったために、食用油の需要がガタ落ちしているらしい。
従って油粕類(=エサ屋にとっては伝統的な蛋白質原料)の発生がやはり落ちていて、エサ工場では原料が間に合わない、とドタバタしている。

景気が悪くなると、当然の事ながら食料品の生産も落ち込むから、副産物の発生量も低下するわけだ。
食品の副産物の多くは飼料化されているから、つまりは飼料原料の生産が落ち込むのだ。
所詮、飼料原料は副産物。副産物を作っているわけではありません、と言われる。
確かに、そんな値段で買ってはいないので、文句は言えない。
でも、飼料原料価格は、間違いなく上がるだろうな。
穀物そのものの供給不足に、オイルの値上げ、投機マネーまでが流入して史上最高値をつけた穀物価格は、ここに来てあれよあれよの値下がり。
心配された天候不順による悪影響も少なく、とうもろこしや大豆の収穫はそこそこ、麦類は豊作で、海上運賃も下がり、円高も進んで、来年1月からの配合飼料価格はかなり大きく下げるだろう。
乳製品も国際的にはだぶつき気味で、脱脂粉乳なども価格を下げている。

一方、高騰し続けていた北米からの輸入粗飼料は、これだけの高値をつけては日本国内での売れ行きは不振で、国内の倉庫は乾牧草が在庫の山である。同じく北米産乾牧草の輸入国である韓国が、ウオン安が進んで輸入がガタ落ちであろうから、日本も買わない、韓国も買えないアメリカのサプライヤーの倉庫は、これも恐らくは在庫の山である。これでは、そろそろ投売りが始まるのではないか。

価格が下がらないのは、原料となるリン鉱石の国際価格が急騰したままのリンカルと、中国の寡占状態と化したビタミン類、供給量が極端に縮小した輸入のビートパルプ、ヘイキューブ、綿実などの粗飼料原料だ。

配合飼料メーカー各社の半期決算が発表されたが、軒並みの赤字である。エサの値上げはできたが、原料価格の高騰にはついて行けなかった。酪農家もそうだが、エサ会社も、共に疲弊し尽していると言うことである。
沖縄で作られる豆腐は、チャンプルーなど炒め物に使っても崩れない、硬くしっかりとしたテクスチャを誇る。島豆腐と呼ばれているらしい。
これは、作り方が違うのだ。大豆を水に浸して吸水させて、北海道弁で言うと「うるかして」、ヤマトではこれを挽いて加熱してから「おから」を分けるのだが、ウチナーでは大豆を挽いて「おから」を除いてから「豆乳を加熱」して豆腐を作るのだそうな。九州の南部にも、この方法で作られる豆腐があると聞いた。

先日の沖縄駐在の技術員さんとの電話の中で、「おから」の飼料化の話になって、この話題まで辿りついた。
我々エサ屋とすれば、加熱されていない「おから」は、トリプシンインヒビターが失活していないだろうから心配かもしれませんね、と言うことになる。

生の大豆には、蛋白質を消化する酵素の一つ「トリプシン」を邪魔(inhibit)する物質が含まれており、これも蛋白質なので加熱によって壊れると言われている。だから、生の大豆は家畜には与えてはいけない、必ず加熱してからと、大昔に会社の先輩に教えてもらった。

f0057955_8151885.jpgまあ、大豆の蛋白質のほとんどは、しかも島豆腐の場合は尚更だが、豆乳のほうに行ってしまい、「おから」には余り残っていない気もする。TIは、pHが下がっても失活するとも言われるようで、では「島豆腐おから」もサイレージ化すれば、問題ないだろうか。

しかし、実際に牛に多量に給与する場合は、事前に産乳性を見ておいたほうが良いだろうな、などと考えながら飛行機に乗ったら、ちょうどANAの機内誌に島豆腐の特集記事がある。
有難い事に、写真つきで島豆腐の製造方法まで説明してあって、なるほど理解が深まった。

ANA機内誌【翼の王国】 「沖縄 ジョートー!島豆腐」 文=池畑木綿子 写真=飯野亮一。
偶然にしては出来すぎであって、これは神が「島豆腐おから」の飼料化を進めよ!と私に指示を下されたものと理解したのであった。
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エコフィード開発で、13日の夜から九州に来ている。
f0057955_20421586.jpg今日は甘木まで移動して打合せで、途中に寄った甘木鉄道の終着の甘木駅。
博多からは、電車で来ても、車でも、ほぼ一時間で到着する距離である。

この場所は、古墳も多く、邪馬台国の古地であるとの観測がある。
駅前には、これを説明する看板があり、日本発祥の地、卑弥呼の里の碑があり、そして四本のチャンスンがこれを守っていた。

私のような北海道人には、異質の文化だ。
我が屯田兵のご先祖も九州の出身だったが、私にはやはり異様な風景だ。
雪に閉ざされることの無い土地の、暖かな風の地の奔放な文明の匂いがするような気がした。

甘木、大川、柳川、そして宿泊は久留米とした。
今日の宿は、いつもの6,090円、しかし同じチェーンの昨日の博多の宿は3,960円だった。
競争相手が多いが故の低価格とは聞いたが、こんな料金で大丈夫なのか。泊まる側は安いにこしたことはないのだが、人事ながら心配になると言うものだ。
f0057955_21581525.jpg東京から越後湯沢まで1時間と少し、越後湯沢からは特急に乗りかえれば、3駅で一時間で、直江津に着いた。
案外と近いものだ。

雨がパラつく千葉だったが、直江津は三日続きの好天で、気温も高い。
スーツを着ていると汗ばむほどだった。

相手先とのエコフィード打合せは、少々てごたえに乏しいだろうか。
限られた発生量と水分が多いゆえに限定される輸送距離、運賃の下敷きでは、折角のエコフィードも何をやっているのかわからなくなる。
発生場所と、加工場所と、そして使用場所の見極めが、やはり鍵となる。
今後に期待しておこう。
移動中の電車の中で、今日はPCを広げることも無く、早めのビールと共に読みかけの本二冊を読了できたのは、幸いであった。
事故米などというカテゴリーがあることを、初めて知った。
日本酒に使われたのだとすれば、これは醸造酒であるから、有害成分はそのまま製品に移行してしまう。回収はやむを得ないだろう。
一方、焼酎に使われたのだとすれば、これは蒸留酒である。農薬は揮発するのかもしれないが、少なくともカビ毒はモロミに留まったままであろう、製品には移行しない。回収しなくとも良さそうな気もするが、消費者としては気味は悪かろうな。
むしろ、エサ屋として心配なのが、焼酎粕液を利用した飼料である。有害物質が濃縮されている恐れがあるからだ。これらを使用した飼料については、アフラトキシンの検査は徹底しておくべきであろう。

と言っているうちに、今度はウクライナ産の脱脂粉乳からクロラムフェニコールなる抗生物質が検出された。これはメーカーの自主分析による検出である。
このメーカーは、これをすぐに農水省に届け、自主回収している。流石、コンプライアンスがしっかりしている。違法なコメ業者とは比べようも無いが、我々同業者としては、その素早い対応を評価したい。

これも心配なのが、今後の我が国の牛用・豚用のミルクである。
これらの原料は、ほとんどが輸入品である。価格が安いので使わざるを得ない、そもそも国産では需要量を満たせないのである。
米国産、豪州産もあるのだが、ウクライナをはじめとして北欧産の脱脂粉乳が占める割合は多いのだ。もし、これらが使えない、輸入できないことになれば、国内の家畜向けミルクは当然値上がりする。値上がりどころではなく、需要量を満たせなくなるかもしれない。
これも、エサ屋にとってみれば、頭の痛いことである。
米国中西部に大雨が続き、一部は畑の水没も伝えられている。
当然ながら作物の作付けも遅延しており、1~2百万エーカーの作付面積減少が噂される。
USDAの6/10発表では強含みながら作付面積減少には至らなかったが、おそらく6/30発表ではこれを織り込むと思われ、その結果は期末在庫を大きく減らすものだ。

これを受けて、既に今週はじめからシカゴ定期は突沸し、史上最高値を更新中だ。
悪いことには、為替も6/3は104.42円だったものが6/10は107.45をつけており、これは我が国のエサの主原料として「とんでもないこと」になってきた。
今後、とうもろこしの生育期に天候不順があると、穀物の需給がパンクするとの見方もある。

今年は、作付面積の拡大で供給安定が見込まれた小麦も、ここに来てカンザスの強風・降雹被害の予想で、この2ヵ月で最高の上昇幅を示している。
高値安定が見込まれた世界の穀物相場だが、更に一段の価格高騰が避けられない。
皆さん、今年は大変なことになりますよ。
世界的な穀物高騰を背景に、我が国の配合飼料も高騰している。
バイオエタノールばかりが取りざたされるが、BRICs諸国の需要増加も忘れてはならない。
人口増加と生活水準の向上に対して、世界の穀物供給が追いつかなくなってきたのだ。
そして、腹立たしいことには、投機筋が穀物相場にも大きく介入して、価格を吊り上げている。

我が国には、配合飼料の価格安定基金制度がある。しかし今、畜産農家と飼料メーカーが積み立ててきた基金の財源は相次ぐ発動で枯渇し、借り入れをしようにも1000億円を越える巨額となれば融資先の目処が立たない。与党もプロジェクトチームを作って財源を検討しているが、難航していると伝えられる。そもそも、現時点でも巨大なこの借金を、飼料メーカーはどうやって返済するというのだろうか。薄利多売がお約束の飼料業界、目先の対策ではない、構造的問題との認識が必要だろう。

そして、ここに来て輸入粗飼料もかつて無い水準まで値を上げようとしている。
エサ屋も悲鳴を上げているが、酪農家の悲鳴はまさに深刻である。

実は米国や欧州諸国でも、当然のことながら飼料価格は上昇している。そして、生産物価格も上昇している。何故、我が国は上げられないのか。たった3円では、どうにもならない。
生産費が上がれば、製品価格に転嫁せざるを得ぬのは当たり前ではなかろうか。
誰でも値上げは嫌である。安いが良いに決まっている。しかしモノには適正価格があって然るべきである。

安さこそ消費者への奉仕と訴える流通業界だが、いまこそ適正価格販売への舵きりをお願いしたい。
販売力の無い(失礼)地域乳業メーカーの製品を客寄せ目玉商品にするのが日常化してしまったが、これを続けていれば、もう生産者が堪えられない時代になったことを理解して欲しい。
牛乳を値上げせよ。スーパーでの値上げ幅を、そのまま酪農家の手取り乳価に反映させよ。
酪農家廃業の雪崩が起きる前に、関係者の決断を望みたい。