カテゴリ:エネルギー( 28 )

12日 午後にも用事があるので自転車には乗れない。生ごみ処理機のメンテを終えたら、モノレールで移動して、NPOの監事をしていただいている会社社長を訪ね、昨年度の会計監査をしていただいた。
総会や引き継ぎについてもいろいろとご配慮をいただいて忝い。

終わればモノレールで都賀、JRに乗り換えて千葉から東京、メトロで池袋まで。立教大学のシンポジウム会場でカミサンと合流した。
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過去に参加していた会のつながりで、「持続可能な国づくりを考える会」のサイトに掲載されていた市民向けシンポジウム。昨年の閑散としたイメージで行ってみれば、おおっ!ほぼ満席の大盛況。

講師の小出先生は、ネットでは「反原発のネ申」と言われる方で、この方の話を聞きに来たお客は多かっただろう。主催の学会長の森中先生が講演をお誘いした処、小出先生から、「敵地」で話したい、「若者」に聞いて欲しいなどのリクエストがあった由。そこで、やはり反原発ではあるのだが、森中先生が敢えて「トリウム溶融塩炉の可能性」を論じて対峙する趣向となったのだそうな。

小出先生のお話は明快で淀みがない。結論は「廃棄物が手に負えないから、核分裂に手を出すのは止めるべし」であり「先進国は使用エネルギー量を抑えて、世界にエネルギーを分け与えるべき」であった。
対する森中先生は、類を見ぬ危険な人工金属プルトニウムを概説し、核廃棄物に含まれ原爆の原料となるプルトニウムを無くしていくことが必須と説き、核廃絶のシンボルとして「プルトニウムも燃やせる」トリウム溶融塩炉を稼働させよう!、とした。
小出先生は、「トリウム炉も、所詮は『もんじゅ』の高速増殖炉と同様に『出来っこない代物』だから、止めておけ」とバッサリだったが、、、

ゲストの方々も多彩で、党内で反原発の筵旗を立てる自民党の若手議員、日本は民主主義が定着していないと嘆くスウェーデン好きのおじさん、3.11を記念日にしようと云う元NHKの方、1F3(福島第一原発三号機)炉の設計者の先生などなど。ちなみにこの方は、失敗学会のサイトで事故の初動から現在まで、非常に的確な評論をしておられる。興味のある方には一読をお勧めします。⇒吉岡メモ一覧表

集った方々は、つまりは反原発なので、つきものの反体制の匂いがするヘンな人達もロビーを席巻していたが、まあこういった科学的でない人達も邪険にせず「やらせておく」学会の懐深さが粋に感じた。敢えて仇役を買って出てシンポジウムを開催した森中先生の純真な科学者魂を、私は素晴らしいと感じたのだ。

13日の日曜日は、池袋で飲んできたお陰で寝坊して、我が家の掃除をして、机周りを片付けて、ビールを買ってきて、カミサンが旨い夕食を作ってくれて、これで一日が終わってしまった。これもまた有意義な一日だったのである。
ミニシンポジウム「次世代にどのような社会を贈るのか?」
日本生物地理学会と立教大学理学部の共催で、参加無料の市民シンポジウムが開催されます。お時間のある方は、是非お出かけください。
ポスターにある通り、事前にメールすると吉です。
⇒「持続可能な国づくりを考える会」のサイト
日時:4月12日(土)13:30—18:00
場所:立教大学タッカーホール(池袋)
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風はおさまったが、今日も冷たい風の中を自転車で走る。幕張メッセの二日目だ。
経産省の産業技術総合研究所が運営するセッション「再生可能エネルギー技術への期待と展望」を一日聴講してきた。
午前中は再生可能エネルギーの概論と、福島に新たに設けた研究開発拠点の紹介、そして次世代太陽光発電技術。午後からは風力発電と地熱・地中熱に関するもの。

聞きたかったバイオマスには、ほとんど触れられない。この場では、どうやら燃焼して熱回収しか道はないようで、数年前まではあれほど盛んだったバイオ燃料の議論は皆無。バイオガスも、バイオエタノールも、バイオフューエルディーゼルも、まったく登場しない。
来年5月、東京ビッグサイトでのバイオマスエキスポに期待しておこう。自転車では行けないのが難点であるな。
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余った時間を展示会見学に充てた。ここでもバイオマス関連は少ない。併催の太陽光を別とすれば、独創的なデザインの風車と小規模水力発電が面白かっただろうか。

化石燃料を使わず自転車で帰宅して、机の前に座ったところで地震に襲われた。
長かった。大きく揺れる本棚を見ながら、思わず身構えていた。これほどの揺れは、3.11以来だろう。北海道、東北、関東から関西以西も揺れたようである。
午前中は、強風の中を自転車で幕張まで。
再生可能エネルギー世界フェア2012基調講演を聞いてきた。
事前申し込みをすればタダで聞けるが、内容はなかなか有意義であった。
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まずは主催者から。今回で7年目となる本展示会。本年7月から「電力の固定買取制度」が始まっており、新しいビジネスチャンスとして一段と期待される、再生可能エネルギーの技術開発の成果や普及拡大を宜しく、との話。ストックを利用する従来型のエネルギーに対して、フローを利用する再生可能エネルギー。真に持続可能なエネルギーとして、ますます期待が高まるとの事。

経済産業省 資源エネルギー庁の課長さんの話。
頭の良い方で、日本のエネルギーの現状をポンポンと数字で示しつつ、俯瞰的に述べた。風力発電所500か所、発電機は1870機。原発が止まってフル稼働させた今年の火力発電所の燃料代は3~4兆円、これは黒字時代の我が国のGDPの半分。
食料自給率は4割、しかしエネルギー自給率は4%。再生可能エネルギーの主力たる水力発電は全体の10%、水力を除くと再生可能エネルギーは僅か1.4%。我が国の国土の制約から、今後の風力発電は北海道や東北に可能性あり。この電力網の整備に10兆と言うが、この一年で燃料代は3兆かかった訳で、電力輸送と規制緩和など、国民の中に広く将来を見据えたエネルギー需給議論を、と結んだ。

続いて、環境省地球環境局地球温暖化対策課調整官氏の話。
グリーン成長と再生可能エネルギーの具体的目標値。2010年、2020年、2030年において、風力はそれぞれ3、40、586万kw。地熱は53、107、312万kw。バイオマスは240、396、552万kwであるそうで、バイオマス発電については公共廃棄物所の施設に高効率発電を見込む。風力は着床式から浮体式(海上)を推進する。

圧巻は、この8月までOECDの国際エネルギー機関(IEA)事務局長だった田中氏の講演。世界のエネルギー戦略の現状と今後の見通し、エネルギー安全保障についての話。
日本では報道されないイラン危機、シェールガスとオイルシェールの開発で、近い将来に中東を必要としなくなる米国、貿易黒字で一人勝ちとなり再び繁栄を謳歌するだろう米国がホルムズ海峡を護るのか。当事者たるインドと中国、そして日本。またもや金は出しても血を流さない日本? 中国にホルムズ海峡の治安を委ねるのか?

日本国内では、関東以西の60hz、関東以北の50hzすら統合されていない有様で、電力グリッドは弱く、ガスパイプラインも脆弱(先の震災では、仙台に日本海からのガスラインが届いていたのが僥倖)で、我が国のエネルギー保障はこれで良いのか。我が国の、そして亜細亜のエネルギー補完をどう見据えるか。
また、プルトニウムを消費する意味からもプリズム炉が注目されている事など、多岐にわたった現実的な提言が興味深かった。
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午後からは事務所に出て実績進捗報告など励む。
夜は下の息子が来たから、カミサンと三人で家族で忘年会。ふぐコースを奢った。
てっさ、から揚げ、骨ひれ酒と、美味しくて、写真を取り忘れ、最後のふぐ雑炊だけは何とか写真に残した。堪能致しました。いろいろあった一日だった。
取引先から自宅に届いた生花を会社に持って行く。電車通勤だから出来る事だな。
メールに対処して、先月の業務報告書を発信して、スケジュール調整して、企画書の草案を上司に報告して、昨日置いたままだった自転車で幕張メッセに向けて走る。

5日から開催されている再生可能エネルギー展。展示会場を覗く時間はなかったが、併催される産業技術総合研究所のセッション「再生可能エネルギーへの期待と展望」を聞いてきた。
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福島原子力発電所事故から見た太陽光発電への期待
前半では放射能測定値が下げ止まっている様子が判り、これからの長い対策の必要性を改めて感じさせた。後半は太陽電池の最先端の話。世界最高の効率を誇る集光型、或いは多接合型、有機薄膜型、色素増感型太陽電池などの話が楽しめた。

蓄電デバイスの開発と標準化
主に自動車用の電池の話。EVにはリチウムイオン電池、HEVとPlug in HEVにはニッケル水素電池など、用途に応じた特性などを聞いた。安全性と劣化の研究の進展、世界的に規格の標準化が提案されている。演者が早口で、しかも「まぁあの~」「あの~」を連発するので聞きにくいこと甚だしい。面白かったんですけど、、

分散型エネルギーマネジメント
所謂スマートグリッドの話。原則として貯め置けず、供給の水準がいろいろで、需要の要請も様々な電力と云うもののマネージの難しさが腑に落ちた。制御装置の開発が重要です。

バイオマスエネルギーの最新動向と産総研の取り組み
バイオマスの定義・解説から始めて、そのポテンシャルと将来像を語る。一時のバイオマスに対する過大な期待やバイオガスブームも落ち着いて、その欠点も含めて正しく評価され、バイオディーゼルフューエル、バイオエタノールなどと並べて総合的・客観的に示した。再生可能エネルギー電気の買い取りが、今後の活性化を予感させる。バイオマスって、誰が集めるの、どうやって運ぶの、何処で加工するのが、やはり大事なのだ。相変わらず。

地熱発電と地中熱利用の現状、可能性と研究課題
ここを掘ろう!から10年以上かかるリードタイム、採掘コストは高く、ハズレもある。一方で、有望地域の8割以上が国立公園などの中にあり、既存の温泉業界に配慮せねばならず、地熱開発を進める法的整備が遅れている。うーむ、これはなかなか難しいものなのだ。
似て非なる、浅く掘る地中熱利用。夏は涼しく、冬は暖かく。これはもっと普及して良い。

そうそう、昼休み前に、コスタリカのラウラ・チンチージャ大統領がサプライズ登壇。
緑多い国、環境全般に配慮してきた歴史、森林保護に注力する一方で、敢えてハイドロカーボンを採掘せず再生可能エネルギーでの電力自給に挑むコスタリカをアピールした。
水力で75%、地熱で15%、90%を再生可能電力で賄い、雨季には再生可能率100%!グリーン企業の誘致を進め、今後はバイオディーゼル、バイオエタノールも推進する。優れたエネルギーの歴史を持つ日本?とも相互協力して、世界のお手本になりましょう!って、最後は少しお世辞。
美人で、落ち着いて話す、カッコイイ方だった。あんな指導者がいいね。
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土曜日に出てやっつけていた仕事を上司に報告し、電話とメールで社内調整に専念する。次いで今月の日程をある程度埋めながら、飛行機の予約をした。流石にお盆の前後はもはや混んでいる。

午後からは船橋まで出掛けて、篠原副大臣の講演を聞いてきた。題目は、「25年目のチェルノブイリ視察から、人々の暮らし、大地と農産物」。生活クラブ虹の町と元気クラブの主催であった。
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予測された原発事故、放射能汚染と農産物、放射能に汚染された食料への消費者の対応、放射能汚染の中で生きるチェルノブイリに学ぶ、日本の将来、と話してきて、最後は「原発は害毒:ドイツよりイタリアより、日本こそが原発廃止の先頭に立つべき」と言い放ち、続けて「TPPは邪魔:土地は上がる、原発は安全、経済成長は永遠に続くとの幻想が破綻した。GDPで中国に負けたがどうした。そろそろ加工貿易立国から卒業して、大国意識を捨て『中日本主義』で行こう。」「豊かになり過ぎてエネルギーを使い過ぎている生活を見直して、少し昔に戻ろう。電気がエネルギーの全てではない、バイオマスエネルギー大賛成。」と結んだ一時間半だった。

地産地消、旬産旬消を唱えた昔から、この方は旗色鮮明、ブレない方である。
問題多い民主党政権だが、ウルグアイラウンドで自民党の農水大臣だった現 鹿野大臣と、このベテラン行政マン出身の篠原副大臣を擁する農水省は、確かに仕事が出来る布陣だと考えている。
TPP拒否、宜しくお願いします。目先の利益しか見えない経済人や政治家に、農業、環境、食料、そして循環の意味をこれからも主張し続けて下さい。これらがまさに国がやるべき仕事なのです。
第5回新エネルギー世界展示会が、6/30~7/2にパシフィコ横浜で開催である。
昨年は幕張メッセだったので、これは遠くなってしまったが、やはり行って見てこようっと。
専門フォーラムを除いて入場無料だし、事前に申し込めば併催のフォーラムも聴講できる。
ついでに、太陽光発電に関する総合イベント PVJapan2010も併催で、これも申し込み制の無料フォーラムがいくつかある。ネット環境から入場受付中である。

もう一つ、2010国際食品工業展FOOMA JAPANは、6/8~11に東京ビッグサイトで開催。
「食と機械」についての多彩なプレゼンなどが同時併催される。
相田翔子さん(誰?)と石野真子さん(これは年代的に知っている)のトークショーも楽しみだ!ウソです。
ネットで来場事前登録すると無料である。

予定に入れておいても、土壇場になっていろいろな仕事ができて行けなくなるのが常ではあるが、とりあえず今のところは行く気満々である。
続いて、午後からは「世界と日本における地熱エネルギー開発」。
バイオマスのついでに聴講したのだが、実はこちらのほうがとても面白かった。

地熱の現場を取材して」 ~記者がみた地熱の力
演者はNHKの記者で、既に番組も放映されているらしい。カリフォルニア、インドネシア、オーストラリアの取材動画を中心としたレポートで、この講演を敢えて最初に持ってきた企画の勝利である。地熱利用の全体像が良く理解できた。

地熱エネルギー開発・利用の概要」 独立)産総研 前報を受けて、世界と日本を対比させつつ学術的に解説。ここ10年間の停滞した日本の地熱技術開発を印象付けた。

米国の地熱開発」 富士電機システムズ株式会社 カリフォルニア州、ネバダ州を中心に、世界第一位の発電量を誇る米国の現状と法的背景についての概説。必ずしも計画通りではないが、今後とも米国の地熱発電は伸びるとした。

地熱資源大国インドネシアなどの地熱エネルギー開発について」 西日本技術開発株式会社 凄まじいばかりのインドネシアの地熱エネルギー開発。急成長が故の課題はあるが、今後とも積極的な取組みが続く。時間がなくて駆け足だったが、現状では米国に次いで二位でありながら最近は停滞を見せるフィリピン、同じく環太平洋の Ring of Fire の一角を占めるメキシコと中米、そして大陸が湧き出す東アフリカ地溝帯を擁するケニアでは、国立公園と地熱開発を共存させているなど。我が国でも「地熱は国の資源」と捉えての取り組みこそ重要、と訴えた。

オーストラリアにおける地熱エネルギー開発の現状について」 財)電力中央研究所
これは正確には高温岩体発電で、マグマ由来の熱水や蒸気ではない。
地下数キロまでボーリングすれば、250℃程度の高温の岩盤があり、ここに注水して別の井戸で熱回収して戻す仕組みだ。注水による岩盤の割れをセンシングする技術で我が国も協力している由。地下の震源プロット画像がスリリングだ。
発想はまさにオーストラリアらしい大雑把なものだが、これは面白い。電力需要地までの送電線のコストが大変というのも、いかにもこの国である。

最後は、地中熱利用の現状」 NPO地中熱利用促進協会 うって替わって、住宅向けの浅い地下の温度差利用のエコ暖冷房、ヒートポンプなどの熱交換器を使う。確かにもっと普及しても良い省エネ技術である。

全体的に、午前のバイオマスセミナーに比べてとても充実したセミナーだったし、所謂「新エネルギー」を太陽光ばかりに注力すべきでないと実感した。
それにつけても、バイオマスエネルギーは最早我が国では行き詰まりつつある印象。
会場からそれを指摘する質問もあったが、今もって(まだ)我が国は、バイオマスエネルギーを選択すべきなのか。エネルギー素材の多様性、Diversity を言った演者もいたが、既に煮詰まった感のあるバイオガスと同様に、次世代バイオエタノールも我が国の事情に合わぬ「研究のネタ」に過ぎないとなれば、早々と手を引くべきかもしれない。
技術開発よりも、政策的決断とインセンティブな法制度が、求められている。
幕張メッセでのセミナーを聴講した。
午前中は、「バイオマス利活用セミナー」
~非食料系バイオマス生産の最先端技術の紹介~で、3題。

木質系バイオマスからのエタノール生産の課題」 技術的な総括で開発の現状をまとめていただいたが、特に新味はない。相変わらずの糖化段階の前でのリグノセルロースの難分解性への対処と、その後の五炭糖を資化する酵母の開発が問題である。

バイオ燃料の持続可能性」 そのバイオエタノールは、持続可能性基準に照らして堪えられますか、の世界的な動きの総括。蒸留副産物について質問したが、かみ合わなかった。
第一世代の現場は、こちらの方が詳しいということか。副産物を有価物として販売できるか、処理対象物として新たにコストをかけるかでは大きな違いだと思うのだが、研究者諸氏はいかにエタノールを作るかにご執心であるのはもっともである。

CO2 80%削減シナリオに対応する地域型戦略とバイオマス利用」 運輸部門より建築物に関わるCO2削減こそが急務、バイオ燃料を内燃機関に使う限りはCO2削減はできない、電気自動車のバッテリーは鉛電池でも十分に対応でき、その利用インフラ整備こそが必要、など大所高所からの面白い提言だった。この方の講義をみっちりと聴きたかったが、何しろ時間が不足であったのは残念。
10:30から基調講演を聴いた。
会場係が要領悪く、30分前に始まった受付の列がなかなか進まない。参加者も、事前にサイトをよく読んで申し込み、受信メールをコピーしてくる約束なのだが、持参しない人がいると途端に後列が詰まる。結局、開始時間を10分ほどオーバーして、あたふたと開始となった。

主催者挨拶の後、経済産業省資源エネルギー庁のお役人が30分ほど。
我が国のエネルギー消費量の増加を見れば、産業部門では横這いだが、民生部門では2.5倍、運輸部門では2.1倍を予想しており、今後は後二者への改善注力が急務である。
CO2排出量の削減に向けては、第一に現在ある原子力発電所に加えて新設9基!の安定稼動(これはなかなかハードルが高い)を確保した上で、これに太陽光発電に代表される再生可能エネルギーの投入による石油依存度低下と、エコカー・省エネ家電に代表される省エネ技術の組み合わせへの転換が必要である。

我が国がリードしていた太陽光発電は、インセンティブな法令を駆使するドイツに2005年に抜かれ、2007年にはほぼ倍の発電量まで引き離された。これを再び日本が首位の座を奪還せねばならないし、我が国の技術力を持ってすれば可能であると信じる。ただし、世界最高の性能でありながら世界で通用しない携帯電話の轍を踏まず、目先の国内需要ではなく海外需要を見据えた開発戦略が必要であろう、とのこと。

現在、国会で審議中のエネルギー供給構造高度化法は、太陽光発電による電力の買い取りが電気事業者に義務づけられる等、我が国の将来のエネルギー事情を見据えた戦略的なものであるそうな。

続いて、駐日デンマーク大使氏が30分。
京都の次となる締約国会議COP15の議長国である。 ⇒COP15ページ。
産業界を中心に省エネを進めた日本、対してデンマークは民生分野で省エネを進めた実績があり、お互いが補完的であると言う。
日本は、家庭からエネルギー消費削減を進めねばならない、日本の農業(非常にセンシティブな問題ではあるが)は、沢山のエネルギーを使うという意味で効率が悪いと言わざるを得ない、日本のエネルギー業界は再生可能エネルギーが自分たちの既得権を脅かすことを心配している、政府には政策的な誘導の姿勢が望ましいなど、ソフトな語り口ながらなかなか手厳しい。我が国のやる気のなさを、よく見ている。エネルギーのバイオセクションでは、日本も有望ではないか、とのこと。

ドイツの施策について、新技術にチャンスを与え補助金制度を駆使して育てる長期的視野にたったもの、と評価していたのが記憶に残った。

最後は、駐日オーストリア大使氏。流暢な日本語での講演。
国の面積の半分が森林であるこの国では、木質ペレットによる暖房、ボイラー技術では世界一である由。再生可能エネルギーの占める割合は、水力が11%、バイオマスが12%と聞いた。
ドナウ川の水力発電、また潮力発電ではまもなく韓国で世界最大の施設がオーストリアの技術で完成するのだという。
バイオディーゼルではEUの推進役を自認し、バランスの取れた重厚な価値観を背景にもつ文明大国の底力を感じさせられた講演であった。