12/21 時間封鎖

f0057955_11455264.jpg時間封鎖(上・下巻) 原題はSPIN
R・C・ウイルスン著、茂木 健 訳、創元SF文庫。

見上げる空から、突如として星がかき消された瞬間を目撃した主人公達。その後、何者かによって地球が謎の膜に覆われ、外界から遮断されたことが判明する。
たまたま地球の周回軌道にあったソユーズ宇宙船が、一週間を過ごして漆黒の球体と化した地球に再突入を試みれば、彼等が落ちてきたのは地球では事件当夜であった。
膜の外では、時間が一億倍の速さで流れていたのだ。

このままでは時間の極端に停滞した地球は、ほどなく太陽の膨張に飲み込まれることになる。人類は、その対処策を火星のテラフォーミングに求め、主人公とその友人はその計画の中心で活躍することになるのだが、、、
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突拍子もない設定で始まる物語は確かにSFと思いきや、実は登場人物たちの心の変遷をしっとりと描いて、なかなか文学的な匂いのする作品で、最後は、かの幼年期の終わりと同様に宇宙生態系を司る意思の存在と、人類の次なる進化を予感させる締め括りだ。

これは当然のことながら、主人公達には次なるステージが待っているのだろう。スピン膜などは、その壮大な物語の端緒に過ぎなかったわけだ。
また、読まねばならない物語が増えてしまった。
by yokuya2006 | 2008-12-21 20:56 | 趣味の読書 | Comments(0)