11/19 海外出張も一力三昧

f0057955_2110487.jpg大川わたり 山本一力 祥伝社文庫。
成田に向かう空港バスの中で、おもむろに読み始める。
成田空港から、シンガポール行きの飛行機の中で読み終えたはずである。
賭博の借金を待ってくれと談判に及んだ主人公に、意外にもそれを呑んで、しかし厳しい条件を突きつける博徒の親分。彼を見守る剣客の道場主、勧められるままに呉服屋の手代に転職して、頭角を現すが、災難も降りかかる。窮地を救ったのは、剣客と呉服屋主人の大芝居だった。
いささか荒唐無稽の感がある結末だが、登場人物それぞれが生き生きとして、読んで嬉しい傑作時代劇だ。実は、この作者の最初の長編小説なのだそうで、確かに荒削りかもしれないが、十分に楽しませていただいた。

f0057955_21324877.jpg峠越え 山本一力 PHP文庫。
シンガポールで読み始め、マニラに着いたところで読み終えた。
女衒から足を洗うために、生涯の伴侶と出会った新三郎は一世一代の賭けに出る。これを成功裏に収めて、女衒の元締めや、てきやの親分衆に認められ、今度は久能山東照宮までの案内を仰せつかる羽目になる。
無理難題を言う年寄り達に付き合ううちに、新三郎はむしろ人の生き様と大人の器量を思い知らされ、自らも大きく成長してゆく。
年寄り達の老獪さと貫禄が、主人公夫婦の健気な努力が、読み進めるに心地よい傑作である。

f0057955_21372115.jpgだいこん 山本一力 光文社文庫。
一膳飯屋を切り盛りする若き娘が主人公。
思いがけない渡世人の親分との再会からフラッシュバックされる彼女の生い立ち。
天性の商才とアイデアで、両親と妹達、周囲の人たちとともに次々と店を繁盛させる。
人情味溢れる長編時代小説。
実に621ページ、厚さ26ミリの分厚い文庫本だが、マニラからの帰路、そして札幌の行き返りを楽しく幸せな気分で読ませてもらった。
by yokuya2006 | 2008-11-19 21:53 | 趣味の読書 | Comments(0)