8/8 黎明の星

f0057955_1129820.jpgジェイムズ・P・ホーガン 著、内田昌之 訳、創元SF文庫
原題は、The Anguished Dawn 苦痛の夜明け ってなものだが、前作の原題 Cradle of Saturn 土星の揺り篭を、邦題「揺籃の星」とした流れから、まあよしとするか。
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しかし、ストーリー的には、
土星の衛星として育まれ(揺り篭)た地球=人類の文明が、太陽の重力圏に落ち込んで太陽系の衛星となり、この大厄災を生き延びてどうにか文明を再興したが、今度は新たに木星の核から打ち出された新惑星の卵アテナに蹂躙されてまたもやほぼ全滅、地球外の前哨にいた者たちの帰還によって、再び彼等の新たな価値観の元で立ち上がるのが本作なのだ。
その生みの苦しみとも言うべき原題のニュアンスがなくなってしまっているのが残念。

ホーガンの出世作 Inherit the Stars 「星を継ぐもの」、この第三作 Giants'star 「巨人たちの星」の連想で、よし「星」で行こうということかな。
やや乱暴な設定だが、ガニメアン三部作同様の壮大な謎解きもあり、相変わらずの性善説に裏打ちされた科学技術への信頼と、悪役がはっきりしているのは、いかにもホーガンらしい。
出張の合間に読了した、満足の上下巻。
by yokuya2006 | 2008-08-08 22:27 | 趣味の読書 | Comments(0)