7/20 牛乳の未来、草の牛乳

f0057955_913214.jpg牛乳の未来 野原由香利著 講談社
放牧酪農を題材に取ったルポルタージュである。
相手の話し方そのものを記述する、この「聞き書き」なる文章様式は、取材人物の人間性やルポの周囲の情景までも生き生きと描写して読者の眼前に提示してくれる。
蹄耕法で有名な斉藤牧場、そしてこの農法に共感しつつ、或いは意識しつつも己の道を歩む若き酪農家達。

f0057955_925144.jpg草の牛乳 野原由香利著 農文協
牛乳を飲んで40年のベテラン消費者を自称する野原氏の、続編とも言うべき放牧酪農評論。前著より幅広い方々が登場して、牛乳の味と放牧酪農の利点を踏まえて見返した現在日本の高泌乳酪農に対する批判は、エサ屋として耳が痛い。

文中に登場する草地酪農・山地酪農を実践してきた方々の、感性豊かで的確な言葉に納得する。自分の山に牛を放して育ててきた経験が物を言わせるのだが、その後ろに鋭い観察力があり、そこで得た結論を試し、時間をかけながらも常に帰納的に事象を見直して自らの知識として蓄積していく姿勢が窺われる。

これは、放牧酪農のみならず、一般の酪農家のお客様と話していて私も良く感じることだ。
サラリーマンでも、実は私の周辺にも、このような感性を持って物事に取り組む方がいる。
どうも共通しているのは、子供時代に野原を駆け回って、自分と周囲を体で覚えた経験がある事のようだ。そんなことを考えた。
by yokuya2006 | 2008-07-20 23:55 | 趣味の読書 | Comments(0)