2/3 穀物の高騰に寄せて

去年の3月の記事に、昨日コメントをもらった。
ああ、一般の消費者の方は日々の消費財の値上げが心配なのだなと思ったし、我々エサ業界人との認識の差を強く感じたことだ。

それどころではない、と考えている。
家畜のエサが、エサ原料が輸入できなくなり、今の日本人の食生活が維持できなくなるかもしれないのだ。12月に農水省がまとめた資料をご覧いただきたい。農水省のPDF記事

コメントにも書いたが、何よりもBRICsの台頭が市場を変質させただろう。
そしてバイオ燃料の登場、不作も拍車をかけたものの、基本的には地球上の作付面積と収量の限界が脆くも露呈したことが、穀物価格をかつてない水準にまで押し上げてしまった。
もう、これは戻る事がない。明らかに世界の穀物需給状況が変わったと見るべきなのだ。

とうもろこしも、大豆も、麦も高騰している。
当然ながら、小麦製品のうどんもスパゲティもインスタントラーメンも、みな値上がりする。
大豆製品の豆腐も納豆も、穀物を食べさせている肉も卵も牛乳も、上がらざるを得ない。
消費者の家計も大変だろうが、酪農家、畜産農家、これを取り巻く業界も、みな大変だ。

配合飼料には価格安定のためのお客様とメーカーの基金積み立てがあるのだが、相次ぐ値上げで基金は底をついてしまった。飼料メーカーは、国から借金しながら補填せざるを得ない状況に追い込まれているが、この借金の大きさと言ったら前代未聞の額だ。薄利多売の飼料業界で、いったいいつこの借金を返せるのかと、我々の業界では自嘲ネタになっているくらいだ。

エサも、食料も、値上げだけならまだ良いのかも知れない。実際、日本の商社は穀物を他国に買い負けている。いつか近い将来、買えなくなる日が来るかも知れない。
農水省の記事にあるように、昭和20年代の食生活に戻れるのか。
飽食やグルメを我慢するどころではない。食料が当たり前に買えなくなるかもしれない。
ここまで食の現場と隔たってしまった都市部の方々には、この危機感はなかなか共有してもらえないだろう。
by yokuya2006 | 2008-02-03 21:57 | 日常の雑感、覚書 | Comments(0)