7/13 発酵TMR

昨日の記事に「牛に願いを」さんからコメントをいただいたので、長くなるのでここで述べます。

発酵TMRの定義は難しいが、かつて高野先生が提唱されていたオールインサイレージのイメージでしょうか。
TMRは、乳牛の「産乳生理」と「消化生理」から見て最適に設計した飼料であり、粗飼料と濃厚飼料をバランスよく食べさせることができ、栄養成分も安定していて、しかも常にエサ場に置いて(不断給餌)飽食させるのが基本になる、と私は考えています。
フリーストールが前提ですが、つなぎ飼いの場合でも制限給餌で対応できましょう。
泌乳期ごとに適切な給与管理をすることが大切で、一群管理で一種類のTMRなど有り得ないと、私は考えています。

さて、発酵TMRとなれば、このTMR飼料をサイレージ発酵させたものとなるでしょう。
発酵させるメリットは、
適度の発酵により嗜好性が良くなり、また消化性も良いのでDMI(乾物摂取量)が上がる。
二次発酵しにくいので、夏場でもTMR飼料の不断給餌(飽食)の品質が安定する。
乳酸発酵とアルコール発酵、その代謝産物による「プロバイオテック効果」が期待できる。
などであり、エサ屋の立場から言えば、納品がある程度まとめてできることもあるでしょう。

また、昨今の穀物高騰を考えれば、主に都市部においては各種の食品副産物を有効利用できるので、飼料の低コスト化が可能になる!といったメリットもあるでしょう。

しかし、これは設計の問題ですが、発酵させなくとも良い原料(例えば配合飼料、ビートパルプ、ヘイキューブ、乾牧草など)まで完配にする必要はないと、私は考えています。
完配は便利ですが、製造コストがかかるだけ高くつきがちです。
サイレージ化しなければ「すぐ変敗する」「嗜好性が悪い」原料を、サイレージ化することで飼料に有効利用する、と捉えるべきでしょう。

その他の、嗜好性に問題なく、保存性の良い飼料原料は、サイレージ化する必要はなく、サイレージに別途にミキサーで混合する、或いは、酪農家さん集団でTMR基地を作り、そこで食品副産物由来の安価なサイレージ飼料をベースに、オーダーメイドTMRを作る、などの考え方が、一番優れていると考えています。

ご紹介できるお客様がいないわけではありませんが、ここはソーユー場所でもないですし、発酵TMRに何を求めるかを、整理する必要があると思います。
私の所属するYS社のホームページに「TMR飼料」についてのお問い合わせをいただければ、お答えを差し上げることができます。
by yokuya2006 | 2007-07-14 00:28 | エサと飼料化 | Comments(2)
Commented by 酪農生活100 at 2007-07-14 15:56 x
 我が家では、コーンサイレージの代わりに給餌しています。粕類と繊維主体のもので、配合は入っていません。
 夏場はどうしても変敗の心配があるためコーンが給与できず、秋に牛の調子が落ちるのが悩みの種でしたが、給与し始めてからは好調です。夏場に食い込める餌があるというのはとてもありがたいです。
 しかし、TMR主体でやろうとは思っていません。理由はコストです。乾草、ビート、配合で組み合わせた方が安く上がります。足りない部分を補う、というふうに考えて使うのが賢い使い方だと自分は思っています。
Commented by yokuya2006 at 2007-07-14 21:51
酪農生活100さん、私も同感です。
夏場の食い込みを確保するために、サイレージ型の購入飼料を上手に使うのは、賢い選択だと思います。
ただ、TMRとは本来「トータルミクストレーションズ」なわけなので、言葉の上からは完配でなければなりません。
供給域を狭めれば、あえて広域流通をしないようにすれば、食品副産物利用のTMRがコスト高になることはないと、私は考えています。
システム作りが大変だと思いますが。