3/25 L&Jの閉店

昨夜の送別会に歩いて向かう道すがら、ふと引かれて寄り道した。
馴染みだったスタンドバーに閉店予告の張り紙があったので、覗いてみたのだ。知らなかったのだが、闘病中だったマスターは年末に亡くなっておられた。
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白ワインを弔い酒にして、我が部署の送別会に出席してから再び戻ってきた。

3/25は12時から最後の開店をするとのこと。
私は札幌に移動しなければならない、付き合ってくれた同僚とともに暫し昔話をして失礼してきた。
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千葉に転勤になって、暫くしてから覚えたこの店。その時のバーマンは赤いチョッキの粋なご老人で、その後にひょいと覗いたときには今のマスターに交代していた。聞けば、この店のオーナーはマスターで、しかしご自分は信州の会社役員の仕事があり、バーテンダーを雇っていたのだ。会社勤めを終えて故郷に戻り、ようやく念願だったこの店にも戻れたのだそうだった。

オーナーが切り盛りするようになって、少々店の雰囲気は変わった。所謂オーセンティックな匂いが薄れて、マスターの豪快な性格を反映した元気のいいスタンドバーになった。私より数歳年上で、大きな会社の役員だったこともあり、マスターは論旨明快な存在感のある大人であった。

取引先の倒産で悩む私に、あんたのスタイルを貫けばいいとアドバイスをくれ、吹っ切れた記憶がある。いろいろと修羅場もくぐってきた方なのだと感じたものだ。

この店でいろいろな出会いがあった。郵便局員の傍らで地域のお寺と檀家を守る般若湯のお好きな坊様、素人離れしたカメラマンでもある県の研究機関トップの方、針穴写真がご趣味の海外経験も豊富なビジネスマン、近所のそごうデパートで夕刻に値下げになったお刺身を大量に購入してきては店のお客に振舞われる常連さん。
私も、北海道から沖縄から、出張帰りにこの店に直行してお土産を差し入れたことがあった。

もう、マスターの作るヘミングウェイの愛したカクテル Death in the Afternoon は飲めなくなってしまった。
この店を引き継ぎたいという方は多いのだが、千葉駅ビルとその周辺の再開発が進んでいて、建物の所有者がOKしないらしい。いずれこのバーのある長屋のビルも、取り壊しになるのだろう。
by yokuya2006 | 2017-03-25 09:31 | 食べ物・飲み物 | Comments(4)
Commented by そりゃないよ獣医さん at 2017-03-25 21:34 x
しんみりしたお話ですね。どこからかブルースが流れてきそうな…
こうした別れは、年を追うごとに増えてきます。先日、okageさんを送りましたが、クリスチャンの昇天祭はいいね。
Commented by yokuya2006 at 2017-03-25 23:02
そりゃないよ先輩、マスターがワインをガブ飲みにするのによいと使っていたグラスと、愛読書の文庫本を、形見にもらってきたのです。
Commented by シュテーカフェー at 2017-03-26 02:43 x
 こちらの記事を見させていただいて初めて知りました。昨日がL&Jの最後の日でしたか。マスターともういちど話したかったなあ。というか、(とめどもない)マスターの話を聞きたかったなあ。
Commented by yokuya2006 at 2017-03-26 09:02
シュテーカフェーさん、思えばマスターに呼ばれたのだと思います。送別会の開始時間の30分前に近所まで来て、足がL&Jに向いたのです。
12月30日に肝硬変が原因の多臓器不全で亡くなられたとのこと、68歳は若すぎましたね。