11/8 年寄りの引き際

朝からシトシト雨。体調は回復、なんとか布団の中におらずに済む。
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さて、不祥事に揺れる東芝が、歴代3人の社長らに対して不正会計処理の損害賠償を求めたそうな。

本件が報道され始めた7月頃、辞任すると発表のあった現社長は兎も角、前社長が副会長として、前々社長が相談役として、まだ会社に籍を置いているのを聞いて、なるほど大企業とはそうしたものかと魂消た記憶がある。

社長経験のある諸先輩からの助言は、現役社長としてみれば有り難さよりも余計なお世話に聞こえる事が多かったろう。目の上のタンコブの、そのまた上にもタンコブだから、同情を禁じ得ない。

かつてのスローガンは「電球から原子力まで」を標榜していた東京芝浦電気、確か光速エスパーのスポンサーだった。家電のみならず、鉄道や原子力の重電、医療、そしてPCと、連結で売上高6兆円を超える三井グループの中核企業として、社長経験者ともなれば陰で不正経理を指示しつつも実業界では名誉職として引く手あまただった。
己の器量を量れずに、その気になって君臨していたジコチュー老人達の哀れ、である。恐らくは、福島原発の事故が業績低下に影響したこともあるのだろうな。

まあしかし、この様な大企業は潰れはしまい。反省を踏まえて、社内から確かな人材を登用して、この困難を乗り切ってほしいものだ。実業界に君臨する事ではなく、従業員の生活を守るのが経営者の大きな義務である。

などと柄にもなく書いたのは、今日のネットで「外食の雄 CoCo壱番屋が、ハウス食品のTOBを受けて連結子会社になる」との記事を読んだからだ。

CoCo壱番屋は、私も出張が多かった時代に全国各地でお世話になった、昼飯定番の外食チェーン店である。孤児で極貧の少年時代を送った創業者が、苦学して、喫茶店経営からカレー専業に天職を見出し、粉骨砕身した挙句に現在のカレー店チェーンを築き上げた。

会社を軌道に乗せて、ところが経営者としてノサバル事をせず、苦楽を共にした奥様に社長を任せ、代表権のない創業者特別顧問として、その後はご夫婦して経営からも身を引いた。
現在は、社会福祉目的のNPOを立ち上げ、名古屋市内に私財を投じて音楽ホールを建設するなど、己の器量をもって自らを見事に社会に還元しておられる。かの葉加瀬太郎氏にストラディバリウスを貸与していたとも聞く。

今回のTOBでは、創業者の保有する株式は全て売却し、これらボランティア事業の原資に充てるそうだ。自分の努力の結晶たる企業からあっさりと身を引いて、後を任せる。実に天晴な方である。そう言えば、過日のノーベル賞の先生にも、抗生物質の利益還元で地元に温泉と美術館を建設し、広く開放している方もおられた。

何たる違いか、と思う。
首都の高層ビルに一室を構え、秘書にスケジュールを管理させて、財界人との付き合いや企業トップとしての忙しい毎日に、いつしか過剰適応してしまう。
俺もいっぱしの、、、のうちはよいものの、そのうち俺が俺が、、、になり、俺がいなくては、、、のドツボに嵌る。後の者には任せておけぬ!

能力はそこそこあっても器量に乏しい凡夫の陥穽、周囲が馬鹿ばかりだと思い始めたら、自分こそが引退すべきと知りなさい。
TV画面に映る、志無き貧相な年寄り達を見て、そう思う。

ああ、そうか。それで原発も諦められないのだね。納得。
by yokuya2006 | 2015-11-08 15:57 | 日常の雑感、覚書 | Comments(0)