5/23 馬鹿タンク

バイオガスの専門の方と話した。
シンプルなバイオガスシステムは、一槽式、つまり発酵タンクは大きいのがドカンと一つだけ。
ドイツなどで、発電農家が自ら開発して使っているのは、このタイプ。

本当は、メタン発酵タンクの前段に『有機物をある程度分解しておくタンク:可溶化槽とか言う』があったほうが、その後のメタン発酵の効率も良いのだが、コストがかかり管理も難しい。

本当は、タンクを加温して高温域でメタン発酵させたほうが効率が良いのだが、これも管理が難しくなる。微生物君達がへそを曲げると、なかなか元に戻らないようだ。

メタン菌は液中のアンモニア濃度が高まると、阻害されて発酵効率が悪くなる。一槽式では水で薄めて濃度が高まらないようにしているわけだ。
これも本当は、アンモニアを中和したり、ろ過膜で取り除いたほうが良く、このメーカーさんではメタン発酵の前にアンモニア発酵をさせて取り除き、これで硫安などの肥料を作り、その後は高温メタン発酵させるので、とても炭素のメタンへの転換率が良いのだそうな。
窒素がアンモニアとして事前に回収されてしまうので、つまりCN比の調整がいりません!

この技術者さん曰く、業界では前記の一槽式のことを、通称「馬鹿タンク」と呼んでいるのだと。メタンの発酵効率は悪いが、面倒な管理が不要で、気にせず何でも放り込める、からだろう。

可溶化槽、高温発酵、アンモニア除去、等々、確かに研究開発は素晴らしい。
しかし、どんどん素人が扱えなくなって、システムは複雑巨大になって、コストも高くなる。

私は家畜糞尿処理の立場なので、「馬鹿タンク」がいい。
農民が、市民が、日々の生活の一部として、タンクの中の微生物と対話しながら、ゆったりと、おおらかに管理できるシステムがいい。

この技術屋さんに、恐る恐る言ってみた。私もそう思うと答えてくれた。良い人である。
by yokuya2006 | 2006-05-23 09:04 | エネルギー | Comments(0)