5/28 明智光秀 正統を護った武将

f0057955_11412211.jpg明智光秀 正統を護った武将 井尻千男(いじりかずお) 海竜社 2,000円+税

BookWebで、井尻先生の新著アラームが鳴って暫し。読まねばならぬ本として買い置きてまた暫し。つい軽めの文庫本に手が伸びていたのだが、しかしようやく手に取れば実に面白い歴史読み物であった。

中世的権威に立ち向かった改革者「信長」と持ち上げて、三日天下に終わった逆賊として明智光秀を貶めるのが、その後400年に亘る風潮である。本能寺の変は、果たして刹那の謀反劇であったのか。

信長より六歳年長で、兵法・砲術・築城に明るく、しかし和歌や連歌を愛した教養人たる光秀。自ら仕え支えた主君が暴君・アナーキストと化して国体を危機に陥れようとする時、光秀は何を想ったのか。周囲はどう動いたのか。その後の幕府が、光秀を反逆者と云い続けるのは何故なのか。

後は読んでのお楽しみ。
歴史物など滅多に読まぬ私だが、武将達の真髄が生き生きとして蘇る感があり、結末は井尻先生の先の著作「男たちの数寄の魂」に繋がっている。前著と同様、いやそれ以上に、成程そうだったに違いない!と納得して読み終えた。
by yokuya2006 | 2012-05-28 23:29 | 趣味の読書 | Comments(2)
Commented by rollingwest at 2012-05-29 20:45
関西勤務していた頃、京都の福知山や亀岡によく訪れましたが、城主の明智光秀は大変尊敬されていることがわかりました。明智光秀は世間的には、裏切り者として評判はよくないですが、福知山では良い政治をした殿様だったのでした。吉良上野介も同じような境遇にありますね。
Commented by yokuya2006 at 2012-05-30 20:58
国の形を、云うなれば武士の在り方としての尊皇を大義とした、古典的美学を貫いたのであろうと、井尻先生の見解です。
ネットで見れば、明智の子孫たる方が、やはり独自の光秀観を構築して各地で講演しておられるようです。