11/21 無伴奏、天冥の標Ⅳ、予告探偵

f0057955_18544844.jpg無伴奏、太田忠司、東京創元社
文庫で出た阿南シリーズを、「刑事失格」「Jの少女たち」「天国の破片(かけら)」と読んできて、出版社の思惑のままに単行本をネットで頼んだ。

時は過ぎ、二十二年ぶりに実家を訪ねて、衰えた父に直面する阿南。父の漏らした言葉を手繰り、知らずにいた両親の秘密に辿り着く。故郷での同級生だった彼女との再会、そして事件は起こった。

十三年ぶりの阿南シリーズ第四作、壮年の風格を湛える彼の成熟に満ち足りて、本を閉じた。静かな余韻の傑作です。

f0057955_1855295.jpgさて、これも四作目。天冥の標(しるべ)Ⅳ、小川一水、ハヤカワ文庫
もう、怖いものなしの、驚きのSFエロ萌え小説。凄いよ。

創造主の言葉に従い、性愛の奉仕をもって人に従うアンドロイド達。第一巻で登場したラバーズのリーダー、ラゴスの過去が明かされることになる。

今巻は、彼らの小惑星の中での出来事が克明に描写される。
第二巻に主役をはったプラクティスが絡み、最後には第三巻に登場したアンチ・オックスも役割を得ている。

ラバーズと言えば、P・J・ファーマーの(当時の)問題作を思い浮かべるが、いやはや時代は進んでいるのだね。次を楽しみにしていよう。傑作です。

f0057955_18551474.jpg予告探偵 西郷家の謎、太田忠司、中公文庫
阿南シリーズに味をしめて、太田さんの著書に手を伸ばしている。

実にありがちな、傍若無人で尊大な名探偵と、常識人にして狂言回し役の探偵の友人。
没落の様子がある名家の一人娘の婚約話に、謎の匂いがする。

面白く読み進めていると、作者の用意した地雷を踏み始める。
あれっ、おやっ、何だこれ、えええっ!

あははは、やられました。これは傑作、大傑作。太田忠司、侮れぬ。このことであった。
by yokuya2006 | 2011-11-21 20:36 | 趣味の読書 | Comments(0)