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10/10 刑事失格、阿南シリーズ

刑事失格、Jの少女たち、天国の破片(かけら)、太田忠司 著、創元推理文庫。
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新札幌の書店で本を漁っていたら、装丁に呼ばれた。
手に取ってパラパラして、しかし既に二冊ほどを手に持っていて、旅先だしこれ以上はと、一度は平積みに戻したが、しばらくしてから思い直して「刑事失格」を買った。10/2の事である。

一緒に求めた「3.11の未来―日本・SF・想像力」という重たい本。SF読みとしては、これは今 読んでおかねばならぬだろう。もう一つは周期律表の文庫本だったか。お陰で旅の荷物が重かった。

札幌からの帰路で刑事失格を一気読み、帰宅してネットで続編と続々編を注文した。
自らの推理が災いして事件に巻き込まれ、警官を辞めた阿南巡査。正義感と倫理感が強く不器用な彼は、それ故に婚約者を失い、ストイックな人生に縛られている。警官をやめて三年、コンビニで出会った刑事と話す彼の記憶が物語る趣向である。

伏線が張られたミステリ仕立てだが、青年阿南の魂の遍歴を見守りつつ、そう暗くもならず重過ぎもせずサクサクと読み進められるのは作者のストーリーテリングの巧さだ。
二作目、三作目も、ここ数日であっという間に読み終わり、創元社の思惑通りに今年の夏に出た13年ぶりの阿南シリーズ第四弾「無伴奏」をネットで注文する私である。
by yokuya2006 | 2011-10-10 09:14 | 趣味の読書 | Comments(0)
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