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9/7 放射性セシウムの汚染状況勉強会

お付き合いのある団体から声をかけていただいたので、ノコノコと農水省まで行ってきた。
畜産振興課のご担当から、放射性セシウムによる農畜産物の汚染について、経緯と現状の話を聞いた。7月に、所謂「春ワラ:年を越して春まで田んぼに放置されていた稲ワラを回収したもの」による牛肉の放射性セシウム汚染が発覚して世の中を騒がせたが、流石に農水省は状況を的確に把握していると感じた。

放射性セシウムに汚染されていたと思われる稲ワラを給与した肉牛農家は、9/7時点で全国で326戸、出荷頭数は4,796頭であり、検査対象となった1,382頭のうち500Bqの基準値を超えたものは83頭、極々僅かである。

また、今年度産の飼料作物(動物のエサになる作物)の検査結果も集積されつつあり、デントコーン・ソルガムから飼料稲WCSまで周辺都県の分析では、不検出が140件、検出が26件だがこれは40~50Bqの水準であり、300Bqの暫定基準値を超えたものはない。

人間向けの米についても検査結果が蓄積されつつあり、これは農水省のホームページで見る事が出来るのだが、大半が「検出せず」であり、僅かな検出例も100Bq以下、暫定基準の500Bqを越えたものは今のところない。どうやら今年度の飼料用米や飼料稲WCSの放射性セシウムについては、心配する必要はなさそうである。人間用の米も、である。

生協の品質管理のご担当から、独自の分析によれば稲の放射性セシウムの分布は「茎葉つまり稲ワラが9割、モミ米に1割で、モミ米のうち半分はモミガラに、残りの半分の大半は米糠で、白米ではほとんど検出されない」との話が出ていた。なるほどそんなところかと聞いた。

そもそも基準値の妥当性を問う議論はある、基準値以下であっても少しでも数値は低い方が良いのは言うまでもない。検出されてはならないとの主張も判らなくはない。
しかし、もはや3.11以前に戻る事は出来ない。東北・関東に住むものは、この土地を捨てる以外には多かれ少なかれ放射能汚染と付き合っていくしかない。そのためには科学的な、客観的な情報が必要であり、これを反芻して理解する大人の度量が求められると言う事だろう。

事故を起こした原発と、これを安全と言いくるめてきた御用学者の罪は言うまでもないが、、、
by yokuya2006 | 2011-09-07 22:39 | エサと飼料化 | Comments(2)
Commented by rollingwest at 2011-09-08 06:27
うちの母方実家は農業専業ですので心配しておりましたが、今のところ汚染の話は入っていないのでまずは安心しているところです。
Commented by yokuya2006 at 2011-09-08 07:32
風評被害を煽るような言い方をする人達がいるようで、呆れてしまいます。
そーゆー方々には、何も食うな、何も飲むな、息もするな、全部が危ないぞと、と言ってやりたくなります。
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