8/14 人体 失敗の進化史

f0057955_21395522.jpg遠藤秀紀著、光文社新書
氏の元に持ち込まれた狸の死体、これは赤坂御所で宮様が発見されたものである。この遺体は私たちに何を教えてくれるのだろうか、、、
この本はここから始まる。

「骨の大きな役割は筋肉に付着面を与えて、動物の運動を実現する事だ。」なんて言うフレーズが好きだなぁ。

哺乳類が直立するとはどういう事か。
二足歩行のための大きな踵、そして土踏まずの開発、大臀筋を中心とした筋肉群の設計変更、足の柔軟な動きを確保しつつ落ち込む内臓を受け支える骨盤、直立したことで自由度を増した手には拇指対向性の指を開発し、そして右脳・左脳に機能分化した巨大な脳を容れる頭蓋を載せた人体の進化。

しかし残念ながら、一方で生じたデメリットの数々。
脳には大量に必要とされる血液を押し上げ供給し、足から血液を汲み上げ回収するために負担を強いられた循環系、基本的な構造故に、また現代の生活習慣がもたらす椎間板への負荷、むくみ、冷え症、ヘルニア、肩こり、全ては進化の行き着く果ての人体設計図の袋小路であった。
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女性の月経に関する一考察は、言われてみれば「なるほどね」の明快さ。
如何にも唐突に進んできた感のある生物の進化であっても、人間社会の変革の速度は比べ物にならない、生物としての人間がこれに適応できるわけもないのであった。

ネットで取り寄せたのに、おまけでプラスチック製の栞が本に挟まれていた。
お得な気分である。
by yokuya2006 | 2010-08-14 13:20 | 趣味の読書 | Comments(0)