5/18 知らぬ事は云わぬ事

口蹄疫が猛威を振るう中、政府が鳩山首相を長とする対策本部を設置した。
遅きに失するとの批判が多いが、気付いた時点で動くことは重要である。あと知恵で文句を言うのは誰でもできる。
対策チームの長には、折悪しく外遊して非難の的となった農水大臣ではなく、山田副大臣を置いた。氏は近県長崎の出身で司法に詳しく、肉牛と養豚牧場の経営の実績もあるのだから、キャスティングとしては良い。是非、後世「蔓延をきわどく食い止めた現場に強い政治家」と名を残すようリーダーシップを、本領発揮を期待したい。

非常事態宣言をした東国原知事、タイミングとしては妥当である。震源たる地域の生産者からすればこれも遅すぎると感じようが、非常事態宣言による県全体の新たな混乱と経済活動の停滞等を考えれば、苦渋の決断だっただろう。川南町から発症は南下して高鍋町、そして新富町にまで及んだ時点での宣言である。明らかに初期の発生場所での封じ込めに失敗した事を受けての宣言の発布である。氏は当初から積極的に情報公開し、陣頭指揮をとっているから立派である。

ああしていれば、こうしていればと、当事者にしてみれば、皆 立場立場で見解が異なるのは当たり前なのだ。全ての人間に正しいと評価される事などあり得ない。

新富町には、東九州自動車道の末端「西都IC」があったはずで、もしウィルスが自動車に付着するなどして九州の高速道路に侵入すれば、その結果は想像するに恐ろしいものだ。一般車両の消毒は、徹底すべきである。

ようやく国が緊急財源を用意すると言うが、被災した生産者は悲惨である。生計の手段を突然奪われ、しかも殺処分が決まった家畜に泣きながらエサを与えているなどと聞けば、こちらも泣けてくる。彼らにしてみれば、これまでの人生が否定されたも同然である。

近隣での発症を聞いて、明日は我が身と怯える生産者にとっては、まさに地獄の日々が続いていることであろう。そして、急きょ駆り出され殺処分を担当させられている獣医たち。獣医は動物が好きで志し、日々家畜を健康に飼う、病気を治すための仕事をしている方々であって、目の前の数百頭の家畜をさあ殺して見せろと言われれば絶句するだろう。そのストレスたるや生産者に勝るとも劣らないのではないか。

現場はまさに修羅場である。
こうして関東にいてお気楽に記事を書いている私も同罪かもしれないが、これまで畜産に近くもない口蹄疫の存在も知らなかった方々が、ろくに調べもせずに国が悪い、県が悪い、政党が悪いと憤っている。
知らぬ事は言わぬ事。
現場の痛みを受け止め、今は静かに見守り祈るしかなかろうと考えるのだ。
by yokuya2006 | 2010-05-19 00:07 | 牛ネタ | Comments(0)