3/12 飼料用米シンポジウム

主催:日本草地畜産種子協会、協力:超多収米普及連絡会、後援:農林水産省。
会場は、江東区文化センター。
11時から、飼料用米で育てた卵、豚肉、牛乳などの試食コーナーが用意され、昼を挟んで13時からシンポジウムが開催された。
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主催者挨拶の後、山田農林水産副大臣が10分程、飼料用米への期待を真摯に語った。
続いて、日本農業大学の信岡先生による基調講演「飼料用米を活かす日本型循環畜産が農業を再生させる」45分。
飼料用米の概説と最新情報、超多収とコスト削減のポイントを具体的に述べた。
この方は、特に飼料用米による畜産物の差別化を強く標榜しない立場だが、よく言われる従来飼料(とうもろこし主体)との比較におけるオレイン酸の増加・リノール酸の低下に加えて、ビタミンEの効果、呈味アミノ酸の増加や、ω3系列脂肪酸の増加によるω6/ω3比の改善などは興味を惹かれた。
講演内容は、現場の皮膚感覚を反映して非常にリアル。行動主義でしかも広範且つ遠大なビジョンを持つ得難い研究者と言うべきである。

その後は取り組み事例の四題。鶏卵の関係が多かった。
ご同業では、昭和産業レイヤーチームの発表が身につまされて面白かった。コープネット事業連合に協力する形で、飼料用米を10%配合した飼料を製造、供給し、差別化商品「こめたまご」を納品している。販売コンセプトは飼料自給率の向上であるという。
少ロットで点在して発生する飼料用米を集貨する努力は大変なものだ。

締めくくりはパネルディスカッション 45分。
これまでの講演者に加えて、農水省の担当課長氏、養鶏生産者協会飼料用米委員でトキワ養鶏の石澤氏、全国消費者団体連絡会事務局長の阿南氏が加わり、主催者の信国会長以下総勢9名のパネラーで、「飼料用米の生産」「流通と使い方」「消費者との連携」の3つのテーマに沿って進行した。

生産面では、減反政策があまりにも長く続いたため、美味しいコメを少量作る技術に稲作農家も指導機関も特化しており意識改革が難しいとの話が出た。飼料用米は新たな飼料作物であるとの認識が必要で、コスト低減のための機械化部隊(コントラ等)をどう作るかの検討が必要であるとした。

流通面では、稲作農家と畜産農家の連携、お互いが目に見える関係を鶏卵生産者が説くのに対して、配合飼料メーカーはある程度の集貨を任せられる機能(業者)を求めるとの発言があり、利用者の立地と規模に応じた流通経路の整理と整備が必要であろうと感じた。

消費者に向けては、差別化にも限度があり、例え飼料用米を食べさせても畜産物を高くは売れない、との意見は正論だろう。正しい飼養管理を経て生産された畜産物であることのアピール、輸入の「とうもろこし」ではなく国産の堆肥を入れた安全安心な飼料用米を給与した畜産物であることを、きちんと消費者に知らせて理解を得る努力が必要である。消費者も日本農業のパートナーであるとの主張が新鮮だった。

反当り8万円の補助金で生産側は活気づいているが、これが何年続くのか。突然の打ち切り、減額はないのか。過去に比べて格段に増えた飼料用米は、果たして畜産側に流れるのか。
また、その畜産物は消費者に歓迎されるものなのか。現在は「需給が大きく流動化している」事を踏まえ、これらをどう安定させるかを、出席者の努力としたいとして閉会した。
by yokuya2006 | 2010-03-12 20:12 | エサと飼料化 | Comments(0)