3/7 乳がんと牛乳

f0057955_19321339.jpg邦題の副題は「がん細胞はなぜ消えたのか」
原題は「YOUR LIFE IN YOUR HANDS」
そのまま訳せば、両手の中のあなたの命。
原題の副題は「Understanding,Preventing and Overcoming Breast Canser」
そのまま訳せば、乳がんの理解、防止と克服。

佐藤章夫 訳、径書房。
2008年10月の刊行だが、本国では2000年とのこと。

酪農業界にいながら、この本を知らなかったのは不明であった。
獣医師の豆作先生のブログに、同じく獣医師のそりゃないよ先生がコメントされていたので、興味を惹かれ、早速ネットで取り寄せた。

英国の女性科学者ジェイン・プラント教授(本業は地球化学)による、自らの経験に基づく戦いと啓蒙の書である。乳がんの再発を繰り返す彼女が辿り着いた結論、乳がんの原因は「インスリン様成長因子:IGF-1」を高濃度に含む牛乳と乳製品であり、IGF-1は乳がんのプロモーターなのだという。(私の読み違いがあれば、御免なさい)
前半は、著者自らの命懸けの探求劇であるから読み進むのだが、後半は健康食の解説になってしまっていささか冗長な感がある。しかし、世によくある所謂「トンデモ本」ではない。

牛乳はそもそも子牛には最適だが、人間の成人が摂取すべき食品ではない。などという表現には少々違和感。食物とは、多かれ少なかれ何らかの害毒があるものである。しかし、乳量追求型の育種改良を続けた結果、現在の乳牛は極めて巨大な産乳成績を誇っているのは事実であり、昔の牛に比べれば内分泌系が亢進しているであろうことは想像に難くない。このIGF-1の分泌を促進すると筆者が憂いている成長ホルモンの乳牛への投与は、米国では許されているが、EUや我が国では認められていない。

本当に現在の牛乳には、IGF-1が移行しているのか。そもそもこの物質は、牛乳の殺菌の過程では壊れないのか。70個のアミノ酸からなる分子量8000弱の蛋白質は、消化管内で分解されず、しかも消化管を通過して代謝もされず血流に移行するのだろうか。高IGF-1濃度の牛乳を飲んだ人の血液中には、本当にIGF-1が高く検出されるのだろうか。

私は子供の頃から牛乳をよく飲んだし、いまでも興がのれば1リットルくらい飲んでしまう。
身長190センチは少々大きくなり過ぎたけれど、多分に牛乳による栄養補給が、要因としては先祖から受け継いだ遺伝形質の次に大きかったろう。
これでも生物系会社員の端くれだ。もし実験をするのなら、喜んで我が身をもってご協力しますがね。(注 無理やりIGF-1を添加した牛乳の試験は、イヤです)
by yokuya2006 | 2010-03-07 21:04 | 趣味の読書 | Comments(2)
Commented by urasimaru at 2010-03-08 01:48
190センチ!大きいですね!!
Commented by yokuya2006 at 2010-03-08 19:42
天井の蛍光灯の取り換えなどに重宝されております。