8/26 茶殻の飼料(エコフィード)化3

③緑茶粕の飼料価値
緑茶粕の飼料分析結果を見てみよう。
飲料メーカーにより差がある。原料もレシピも、製造設備も異なるので、これは当然である。

水分は70~80%、従って、乾物は20~30%となる。
以下、乾物あたりで書けば、大まかに言って、
粗蛋白質は30%弱、意外に高蛋白と思えるが、しかし大半がUIPであり、DIPは数%、うちSIPは2%弱で、これは熱水抽出であるから当たり前。ちなみに結合蛋白は10%弱ある。
粗脂肪は3%、粗繊維は20%、粗灰分は3%だから、NFEは40~45%となる。
NFCは20%、繊維分画を見ればNDFは50%、ADFは30%、消化性の良いOaは15%、リグニンは10%である。

つまり蛋白質の利用性は良いとは言えないが数値は高く、繊維の利用性は「まあまあ」といったところか。組み合わせる他の飼料原料次第では、そこそこ使える原料であるが、特段優れたものでもない。
牛への嗜好性は、これは良くない。沢山混ぜるとエサを食べなくなるのである。

カテキンによる抗酸化作用が、何か機能性がないだろうかと考えるが、乳に移行するようでもなし、ルーメン内の微生物にとっては静菌作用がブレーキになる可能性もある。
茶葉の色素のカロチノイドが、乳脂肪に移行することはあるだろうから、黄色いバターファットになるだろう。黄色味の多い牛乳、乳製品、アイスクリームなどが差別化要素になる場面はあるかもしれない。

総じて、コストが合えば使える原料ですね、との評価に留まると言える。
乱暴に言えば、乾物あたりでヘイキューブ(輸入アルファルファの機械乾燥品)と見合うのかな、使い勝手の悪いところを考えれば、乾物あたり35円でどうだろう。
乾物30%としても酪農家への生バラ届け価格で10.5円。運賃に5円かかれば、品代は5.5円。エサ屋が流通マージンを50銭もらえば原価5円。乾物20%ならば同様に1.5円である。
もし、これを原料にTMR製品を作ったりすれば、製造費に食われてしまい品代は限りなくゼロ円に近づく。
その程度の価値の飼料原料だと言うわけである。
輸入飼料が数ある中で(今のところ)、勇んで使うものでもなさそうである。
勿論、これ以上安く安定的に手に入るのならば、使うべきである。

飼料成分の専門用語については、このサイトを参考にしてください。(続く)
by yokuya2006 | 2009-08-26 23:01 | エサと飼料化 | Comments(4)
Commented by 豆作 at 2009-08-28 20:58 x
なるほど、堆肥化と飼料化ではずいぶんとハードルが違うんですね。
あくまで飼料化の可能性を冷静に分析される目はさすがプロ!
勉強になります。
牛の嗜好性、これも大きなハードルですね。
牛はお茶ではくつろげないのでしょうかね(笑)
酒類は大好きみたいですけど。
それと、昔こちらの草競馬大会ではレース前にお茶殻を食わせていました・・・カフェインの効果を狙ったものです。
眠気が取れる牛製品なんていうのは・・・ダメですねやっぱり(笑)
Commented by yokuya2006 at 2009-08-29 17:02
豆作先生、エサ原料は準食品ですから、品質管理はなかなか大変なのです。
カフェインが、牛の体内でどのように代謝され、乳に影響するのか、勉強不足でした。でも、カフェインとミルクのイメージは合わないような、、、
そういえば、夜絞った「眠りを誘うミルク」ってのがありましたね。
Commented by sato at 2009-08-29 20:22 x
子どもが最近ある牧場へ行ったので、何食べてた?って聞いてみたら、圧ぺん大麦やき○らか、ま○やかというのや、いろいろ食べてたそうです。お米の品種名みたいなネーミングでおもしろいなと思いました。いろいろブレンドされて、嗜好性を高めているんでしょうね。霜降りにするためにビールを飲ませるって話も聞きますが、牛はビールを好んで飲んでいるんでしょうか。それとも無理強いかな?
Commented by yokuya2006 at 2009-08-30 09:01
satoさん、それって肉牛ですよね、きっと。
肉牛さんたちは、基本的なお食事はイナワラで、おかずは「圧ペン大麦」や「圧ベンとうもろこし」や、これらを主体とした配合飼料ですね。
緑茶粕を食べさせると、脂肪に色がついたりして嫌われそうです。
ビールね、栄養あるし、アルコールも第一胃でエネルギーになるし、ストレス解消にもなるかもしれませんね。自分から「飲みたいっ」て言う牛さんは、極めて少ないものと思われます。