5/20 剪定枝の堆肥化(3 繊維質の分解)

さて、剪定枝の成分はどういったものでしょう。
下記は私の会社で分析した結果ですが、「おがくず」のリグニン量は乾物中24%、同じくセルロースは52%、ヘミセルロースは12%でした。またCN比は179と非常に高いものでした。
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これは木材の場合ですので剪定枝や、とくに花木類の柔らかい枝葉では、半分程度つまり70~80と捉えて良いようです。(この資料は、私の堆肥処理プロモ用スライドを切り貼りしたものですので、今回のテーマとは関係ない記載もあります。以下同じ)

セルロース、ヘミセルロースの基本構造は、糖の分子が直鎖状に重合した天然高分子なので、分解すれば糖ができてこれは微生物のエネルギー源になります。一方でリグニンは、ベンゼン環を持つフェノール類が高度に重合して三次元網目構造を形成した巨大な生体高分子であり、セルロースを接着する役割を果たしています。

堆肥化の際に、易分解性物質の発酵分解をジャンプ台にして温度が上がり高温放線菌を誘導できれば、ヘミセルロースが、次いでセルロースが分解を受けます。
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しかし、下記のとおり2~3か月の期間では、しかも「おがくず」由来の強固なリグノセルロースでは、セルロースの消失量は3割ほどに過ぎません。リグニンに至っては、この間はほとんど分解を受けません。

ちなみに、我々は「敷料リサイクル」を目的として、水分の少ない「戻し堆肥」を最短期間で製造する方法に特化しています。「堆肥を完熟させては栄養分をロスするだけ」とのご意見の方がおられ、ごもっともと思います。この意味では、むやみに高温発酵に持ち込むこのやり方は、一般的でないかもしれませんね。

続く
by yokuya2006 | 2009-05-20 22:12 | 堆肥化とNPO | Comments(6)
Commented by sato at 2009-05-21 00:31 x
大作になりそうですね。
お疲れ様です。
難しい用語も多く、ついていくのが大変ですが、
理屈もわからずにただいじくってても進歩ないので、勉強しないと。
米糠発酵肥料を作ったとき、おがくずは難しかったです。
モミガラの方が扱いやすかったですね。
京都競馬場のお馬さんの糞からできた堆肥を使ってみましたが
やっぱり馬は1つしか胃がないから、ほとんど藁って感じでした。
未消化ってことは牛糞より肥料分はあるってことなのかしら。
「堆肥を完熟させては栄養分をロスするだけ」
というのはよく聞きます。
でも、あんまり未熟では発酵熱で作物の根をいためる、というでしょう?
窒素飢餓、ということも。
ミミズの多い土壌を誇るのは、こっぱずかしいことだっていう記述を読んだこともあります。
難しい~。
Commented by KOU at 2009-05-21 11:11 x
【剪定枝堆肥化】の記事が早くも3つ進んでいましたの驚きました。
さっそく読ませていただきました。何だかマンツーマンで教授されてるような~(^^♪
土作りの考え方では2つの異なった手法が有るようです
①従来の完熟堆肥を鋤き込んで土を肥やす。
②刈り取った青草:作物の屑:ソルゴーなどの緑肥をそのまま鋤き込んで土中で発酵熟成させる。(炭素循環農法)この場合は” sato さん”の言われた『ミミズの多い土壌を誇るのは~』って記事も出てきますね。
この所~古土を甦らすのに剪定枝チップの半発酵したもの(全体に菌糸が回りカビだらけで熱を帯びた状態)を土中に鋤き込みました。結果の如何はまだですが~どうも小バエがブンブン煩く付きまとい~自宅の玄関先ではやりにくいです。どうも微生物だけ見ていればOKと言う訳にも行かないようでして(>_<)
Commented by yokuya2006 at 2009-05-21 20:59
satoさん、書き飛ばしていくうちに、長くなってしまいました。おがくずとモミガラでは、繊維の質がまったく違うのですね。表を見れば分かるはずだったけれど、その表が良く見えてませんね。今度、時間のあるときに作り直して、貼り直しておきます。

さて、馬糞堆肥。
肥料分は、何と言っても三要素で評価されますから、多分、牛糞のほうが多いでしょうね。
ご存知と思いますが、馬(や鶏や兎)は盲腸発酵動物ですから、牛(や羊やカンガルー)のような前胃発酵動物並みとはいかないまでも、われわれヒト(や豚)のような後腸発酵動物よりは、繊維質の消化能力は高いのです。ほとんどワラってのは、多分 敷料のワラが混ざっていたのではないでしょうか。
Commented by yokuya2006 at 2009-05-21 21:14
KOUさん、ちょうど良い機会だったので、酪農家さん・畜産農家さんを意識しながら畜糞堆肥を述べつつ、少し剪定枝の堆肥化にも関わろうという魂胆です。マンツーマンなど畏れ多いですが、お付き合い下さい。

私達が作っている完熟堆肥では、土壌改良には効果的でも、土を肥やす効果は低いと思っています。
緑肥は、土に有機物を大量に投入する方法として有効ですが、当然 土の中で分解されますから、すぐに作物を育てることは出来ません。有害線虫のポピュレーションを下げる機能性などを意識しつつ、耕作に余裕があるときに選択される方法でしょう。実は、私の会社の主力商品でございます。

カビだらけの、しかも未分解のリグノセルロースを豊富に含んだものを土の中に入れる事は、よほど土の微生物叢が充実していなければ、かなりのストレスにつながるのではないでしょうか。少し心配になりました。
Commented by KOU at 2009-05-21 22:24 x
ご心配おかけします(笑い)m(__)m
古土再生の大鉢は当面の間~何も植えないかソルゴーなどを植える程度で1~2年寝かす考えです。剪定枝チップは堆肥サイロで発酵する替わりに土中で微生物に働いて貰おうと思うのです。元よりNブロックなどの障害は放念しております。土の微生物叢を充実させる手っ取り早い手段は何か?ありましょうか?現在はEM強化液を作って居ります。
市販の微生物資材も高価でなければ試しても良いと思っています。(オーレスGなど)
Commented by sato  at 2009-05-22 00:42 x
な~るほど。納得。敷料のワラが混じったか、ワラとの混合発酵なのかもしれませんね。色も牛糞堆肥と違い、明るい褐色で、1、2日はハエが舞っていたので、ちょいとあせりました。3日するといなくなったので、やれやれ。吉谷桂子さんのご本にあったんですが、ロンドンでは、騎馬警官がパトロールしてて、大きな落とし物を市民が競争して拾ってるらしいです。昔は、子どもの小遣い稼ぎに馬糞集めしたそうで、今は、電話1本でトラックでホースマニュア屋がやってくるそうです。近所の庭中臭ってるから、気がねはいらないとか。さすが、ガーデニング大国です。
私の子どものときのお祭りでも、お旅と言って、行列を作って練り歩きましたが、おじいちゃんちの馬も貸し出していました。馬の後に、スコップとバケツを持った馬糞処理係がついてて、すぐ拾ってました。懐かしい思い出です。
ところで、未分解のものを土の中に入れると、かなりのストレスにつながる、とのことですが、微生物でもへこたれるってことあるんですか?タケノコの季節、竹の皮が大量に出ましたが、生ゴミ堆肥に混ぜると時間がかかりそうだったので、当分さわらない場所に埋めました。ちょっと負担大きかったでしょうかね。