5/20 剪定枝の堆肥化(1 始めに)

私は、剪定枝の堆肥化について、詳しくデータを取る実験に関ったことはありません。
しかし、牛糞堆肥の発酵過程において、繊維の分画がどのように分解を受けるのかの知識は、ある程度持っています。

牛舎では敷料として昔はワラを使ったものでしたが、最近は大量に集めるのが難しく、とくにフリーストール牛舎(牛が繋がれず、自由に水を飲み、エサを食べ、乳を搾る場所に歩いていく設計の牛舎)では、敷料として「おがくず」を使うことが多いのです。

「おがくず」は、樹木の硬い木質部分のノコ屑(或いはカンナ屑)ですから、分解しにくい繊維分がとても多いものです。従って、牛糞堆肥の発酵においても、この難分解性の繊維を如何に分解できるかが問題となってきます。牛糞は栄養成分に乏しいので、繊維分解を誘導できないと堆肥発酵はすぐ終わってしまいます。分解しやすい栄養分(易分解性有機物などと言えば、カッコイイ)が微生物に食われただけでは、全体としてまだ汚物感も残り、発酵温度も上がらず病原菌や雑草種子なども完全には死滅しません。

まあ、有機肥料として牧草地に還元する目的で酪農家さんがご自分で使うのなら、これで十分です。
しかし、大規模飼養の酪農家さんや、堆肥の全量を自家還元できない、飼料畑面積の少ない酪農家さんでは、どうしても堆肥を経営外に持ち出す(つまり堆肥販売)必要があり、その際には「商品としての完成度」が求められます。

放線菌による繊維分解が進んだ完熟牛糞堆肥は、その意味で「汚物感が無く」「サラサラして」「土の香りのする」完成された商品でなければならず、そのための製造技術開発が、特に本州以西で、最近になって進んできたのです。

続く。
by yokuya2006 | 2009-05-20 22:01 | 堆肥化とNPO | Comments(0)